直接原価計算の基礎と実務での活用方法：売上高から営業利益までの計算手順

直接原価計算（直接原価法）は、固定費と変動費を分けて計算する方法で、製造業などでよく用いられます。特に、固定製造原価が生産量に応じて配布されるという考え方が重要です。この計算方法における各項目を理解し、どのように計算していくかを段階的に解説します。

直接原価計算の基本的な構造

直接原価計算では、製造原価を変動費と固定費に分けて計算します。変動費は生産量に応じて増減し、固定費は生産量に関係なく一定であるという特徴があります。具体的には、以下の項目に分けて計算します。

これらの項目を順を追って計算していきます。

まず、売上高から計算を開始します。与えられた情報をもとに、変動費や固定費を整理し、それぞれを計算します。具体的には。

これを元に、変動製造原価や変動販売費、貢献利益などを計算していきます。

「固定製造原価は生産量に実際配布している」とは、固定費を生産量に基づいて配布するという意味です。たとえば、製品が1000個製造され、その内の800個が売れた場合、固定製造原価を製造した個数に基づいて配布します。これにより、固定製造原価が生産数にどう影響するかを明確にすることができます。

具体的な計算方法は、固定製造原価（12,000円）を生産数で割り、1個あたりの固定製造原価を求め、それを売上数に適用します。この方法により、各製品がどれだけ固定費を負担しているかが明確になります。

最終的に求めるのは、以下の数値です。

これらの計算を通じて、直接原価計算に基づく利益を求めることができます。

直接原価計算は、固定費と変動費を分けて計算する方法であり、企業の利益構造を明確に把握するために有効な手法です。特に固定製造原価の配布について理解し、各項目をしっかりと計算することで、より正確な利益計算が可能になります。問題文の内容に合わせて、計算手順を一つ一つ確認しながら進めていきましょう。