失業保険を受給している最中に再就職が決まると、「残りの給付日数分はもらえないのか」「再就職手当ももらえないのか」といった疑問を抱く人は多いでしょう。本記事では、制度の仕組みと条件を整理し、「あなたのようなケースで“これ以上の給付は望めるか”」を検証します。
まず前提:失業給付(基本手当)とその仕組み
日本の (基本手当)は、離職理由・被保険者期間・年齢などによって「所定給付日数」が決まり、その枠の範囲で支給されます。給付を受けている間、月に1〜数回の「失業認定」を受け、失業状態であることが条件です。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
しかし、再就職が決まった時点で「失業状態ではない」とみなされるため、残りの給付日数分の基本手当を受ける権利は原則消失します。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
代替の制度:の受給条件
失業給付の代わりに使われる制度として再就職手当があります。この制度では、以下のような条件を満たす必要があります。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
- 離職後の待期期間(7日)を経過して就職すること
- 就職日前日までに失業認定を受け、かつ「支給残日数」が所定給付日数の3分の1以上残っていること
- 離職前の会社への再就職ではないこと
- 再就職先で1年以上の継続雇用が見込まれること など
支給残日数が2/3以上なら給付残日数 × 基本手当日額 × 70%、3分の1以上であれば × 60% の計算が目安です。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
「以前勤めた会社」への再就職(派遣含む)は原則対象外のため注意
あなたが「以前勤めた会社に派遣で戻る」という条件で再就職する場合、再就職手当の多くは支給対象外となります。制度上、離職前の事業主またはその系列会社への再就職は、再就職手当の対象外とされています。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
したがって、たとえ給付残日数が十分であっても、再就職手当は受けられず、残りの失業給付も基本的に断たれるのが一般的です。これは制度の趣旨上、「失業状態から安定就労に移る人への支援」であるためです。
「もう給付は望めない」は“制度通り”か ― 残り日数と条件次第で判断される
以上の条件を整理すると、今回のようなケース(失業保険給付中に、以前勤めた会社に派遣で再就職・給付日数が残っている)では、再就職手当は原則受けられず、残日数分の基本手当ももらえない、というのが制度通りの扱いです。
つまり「これ以上の給付はもう望めない」は、残念ながら多くの場合で妥当な判断といえます。
それでも納得できない・確認したい場合のチェックポイント
もし「本当に受け取れないのかを確認したい」なら、次のようなポイントを確認してみるのがおすすめです。
- 失業認定をきちんと受けていたか(就職日前日の認定状況)
- 再就職先が離職前の会社と“別法人か系列か” — 系列会社への就職は対象外
- 雇用形態・契約内容が「継続雇用(1年以上見込みあり)」かどうか
- 再就職手当の申請が出されたか、またその可否判断の通知が来ているか
これらが不明な場合は、管轄のに問い合わせるのが確実です。
まとめ
・失業保険受給中に就職が決まると、基本手当の残り給付は原則受けられない。
・再就職手当という制度があるが、「以前の勤務先またはその系列への再就職」は対象外となる。
・したがって「これ以上の給付は望めない」という結論は、制度に照らせば妥当である可能性が高い。
・ただし、契約内容や系列関係、手続き状況次第で例外となる可能性もあるため、不明な点はハローワークで確認するのが安全。


コメント