簿記の貸方・借方の記入方法：取引事例を元に解説

簿記を学ぶ際、貸方・借方の理解は基本中の基本です。今回は、実際の取引に基づいて、貸方・借方の記入方法について解説します。具体的な取引の例を挙げて、どのように仕訳を行うかを学んでいきましょう。

1. いわ商店に借用証書によって現金¥300,000を貸し付けた

この取引では、現金を貸し付けたため、現金（資産）が減少し、貸付金（資産）が増加します。仕訳は以下のようになります。

借方：貸付金 ¥300,000
貸方：現金 ¥300,000

2. 約束手形を振り出して下田商店から借り入れていた¥90,000を、その利息¥8,000とともに現金で支払った

この取引では、借入金の返済と利息の支払いが行われています。仕訳は以下の通りです。

借方：借入金 ¥90,000、支払利息 ¥8,000
貸方：現金 ¥98,000

3. 金商店から商品¥500,000の注文を受け、内金として¥100,000を現金で受け取った

注文を受けて内金を受け取った場合、受取金（負債）が増えます。仕訳は以下のようになります。

借方：現金 ¥100,000
貸方：前受金 ¥100,000

4. 城島商店から商品¥800,000を仕入れ、代金はすでに前払いしてある内金¥250,000を差し引き、残額は掛けとした

仕入れに関する取引で、前払金の差し引きと掛けで支払いが行われた場合の仕訳です。

借方：仕入 ¥800,000
貸方：前払金 ¥250,000、買掛金 ¥550,000

5. 業務用の金庫¥150,000を買い入れ、代金は月末に支払うことにした

業務用の金庫を購入し、支払が後日行われる取引です。仕訳は以下のようになります。

借方：備品 ¥150,000
貸方：買掛金 ¥150,000

6. 古新聞などの不用品を¥3,000で売却し、代金は月末に受け取ることにした

不用品の売却による収益の発生と、未収の代金に関する取引です。仕訳は以下の通りです。

借方：未収入金 ¥3,000
貸方：売上 ¥3,000

7. 本月分の従業員に対する給料¥220,000の支払いにあたり、所得税額¥20,000を差し引き、残額を現金で支払った

従業員への給料支払いに伴い、税金を差し引いて現金で支払う取引です。仕訳は以下のようになります。

借方：給料 ¥220,000
貸方：源泉所得税 ¥20,000、現金 ¥200,000

8. 従業員の出張に際し、旅費の概算額として¥40,000を現金で前渡しした

出張旅費を前渡しする取引です。仕訳は以下の通りです。

借方：前渡金 ¥40,000
貸方：現金 ¥40,000

9. かねて旅費の概算額として¥40,000を仮払いしていたが、本日、従業員が帰店して旅費の精算をおこない、残額¥2,000を現金で受け取った

旅費の精算に関する取引で、残額を現金で受け取った場合の仕訳です。

借方：前渡金 ¥38,000、現金 ¥2,000
貸方：旅費 ¥40,000

10. 得意先芳商店から当座預金に¥200,000の入金があったが、その内容は不明である

得意先からの入金があったが、その内容が不明な場合の仕訳です。

借方：当座預金 ¥200,000
貸方：未払金 ¥200,000

11. 商品¥30,000を売り渡し、代金のうち¥10,000は商品券で受け取り、残額は現金で受け取った

商品を販売し、商品券と現金で代金を受け取った取引です。仕訳は以下のようになります。

借方：現金 ¥20,000、商品券 ¥10,000
貸方：売上 ¥30,000

まとめ

簿記における貸方・借方の記入は、取引の内容を正確に反映するために非常に重要です。今回紹介した各取引事例を参考に、適切な仕訳を行い、財務状況を正確に把握することが大切です。簿記の基本をしっかりと理解し、実務で役立てていきましょう。