簿記2級の工業簿記で出題される「労務費」に関する問題は、少し難易度が高いと感じることがあるかもしれません。特に、給与や未払い額、予定賃率などの複数の要素が絡むため、計算手順をしっかりと理解することが大切です。今回は、労務費の計算問題を解くための手順を具体的に説明します。
労務費の計算手順の基本
労務費の計算において重要なのは、次の3つのポイントを押さえることです:直接工賃金、間接工賃金、給料。それぞれについて、資料から必要な情報を抽出し、適切な計算を行います。
まず、問題文に与えられた「給与支給帳」や「作業時間票」の情報をもとに、各項目を分けて計算します。必要に応じて、未払い額を考慮することも忘れずに行いましょう。
STEP 1:直接工賃金の計算
直接工賃金は、実際の作業時間を基に計算します。問題では、「直接工の実際直接作業時間の合計」が570時間と記載されています。そして、予定賃率(この場合は2,000円)を掛け算して、消費賃金を求めます。
例:
直接工賃金 = 実際作業時間(570時間) × 予定賃率(2,000円)
計算結果 = 570 × 2,000 = 1,140,000円
STEP 2:間接工賃金と給料の計算
間接工賃金と給料は、給与支給帳に基づいて計算します。問題文には「間接工賃金」と「給料」の額が明記されており、これらの合計を求めます。また、未払額がある場合、これも加算または減算する必要があります。
例:
間接工賃金 = 700,000円
給料 = 920,000円
STEP 3:未払い額の調整
未払い額の情報も重要です。問題では、月初と月末の未払額がそれぞれ記載されています。この未払額を計算に反映させ、実際に支払われる金額に調整を加えます。
例:
直接工賃金の未払額(月初371,000円、月末333,000円)を反映させて、計算を行います。これを間接工賃金や給料にも同様に適用します。
STEP 4:賞与の計算
賞与も経理の計算で重要な要素です。問題文には「従業員賞与の年間見積総額」が7,200,000円と記載されていますが、賞与の支給が計算に含まれる場合は、この金額を適切に割り当てます。
例:
年間賞与の総額は7,200,000円ですが、実際の月別の賞与額を算出し、労務費として加算する方法が考えられます。
まとめ
簿記2級の工業簿記で労務費に関する問題を解く際には、直接工賃金、間接工賃金、給料、未払い額、賞与などの要素を整理して、計算していくことが重要です。問題文に与えられた資料を基に、順を追って手順を踏むことで、正しい解答に近づけます。問題の内容に合わせて柔軟に計算を行い、実務でも役立つスキルを身につけましょう。


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