人材派遣会社の正社員として働くとは？派遣先勤務の仕組みと待遇の考え方

人材派遣会社に正社員として入社し、派遣先企業で働くというスタイルは、初めて聞くと少し分かりにくく感じるかもしれません。本記事では、この働き方の正式な位置づけや、一般的な正社員との違い、待遇や給与の仕組みについて整理します。

人材派遣会社の正社員という働き方の基本

人材派遣会社に直接雇用され、その会社の正社員として派遣先企業で就業する形態は、一般に「無期雇用派遣」や「常用型派遣」と呼ばれます。雇用契約は派遣会社と結ばれ、勤務先のみが派遣先企業になります。

この場合、社会保険への加入、雇用の安定性などは派遣会社の正社員として確保されており、雇用主が派遣会社である点が最大の特徴です。

一般的な正社員は、入社した会社そのものが勤務先となり、異動があっても同一企業内で完結します。一方で派遣会社の正社員は、勤務場所が派遣先企業になるため、プロジェクトや契約終了に伴い働く場所が変わる可能性があります。

ただし、雇用契約自体は継続されるため、派遣先が変わっても即解雇になるわけではなく、次の配属先を派遣会社が探す点が特徴です。

給与の支払い元は派遣会社であり、毎月の給与振り込み、賞与の有無、昇給制度なども派遣会社の就業規則に基づいて決まります。派遣先企業から直接給料が支払われることはありません。

実例として、製造業やIT系派遣では「月給制＋残業代別途支給」「派遣先に左右されない安定収入」を売りにしているケースも多く見られます。

派遣会社の正社員は、幅広い業界経験を積みたい人、勤務地や仕事内容の変化に柔軟に対応できる人に向いています。一方、特定の会社に腰を据えて長期的にキャリアを築きたい人には不向きな場合もあります。

特に若手や未経験分野への挑戦では、教育制度付きの無期雇用派遣が入口になるケースも少なくありません。

派遣会社の正社員として内定をもらう場合も、法的には通常の正社員内定と同じ扱いです。ただし、配属条件や待機期間中の給与支給ルールなどは必ず確認しておく必要があります。

内定承諾前に、派遣先が決まらない場合の給与保証や配属変更の頻度について書面で確認することが重要です。

人材派遣会社の正社員として派遣先で働く形は、一般的な正社員とは勤務形態が異なるものの、雇用や給与面では正社員としての安定性を持つ働き方です。違いを正しく理解し、自分のキャリアや価値観に合うかどうかを見極めた上で選択することが、後悔しない転職につながります。