医療系専門職として人気の高い「臨床工学技士」と「診療放射線技師」。どちらが“就職しやすく”、また“給料が高い”のかを、最新データをもとに比較・整理します。進路選びやキャリア形成の参考にご活用ください。
就職しやすさ:国家試験・求人・需給の観点から
まずは、両者が資格取得から就職に至るまでの“就職しやすさ”について整理します。
臨床工学技士は国家試験合格率が直近で【約78.9%】となっており、養成校を卒業すれば比較的取得可能な資格といえます。([参照])
一方、診療放射線技師は養成校を卒業後の就職実績として「就職率82.5%」という学校実績も出ています。([参照])
求人・需給の観点では、診療放射線技師の採用難や人材確保の課題が報告されており、過去に「採用が困難」とされる状況も確認されています。([参照])
総じて言うと、「求人は比較的多く、資格を取得すれば就職のハードルは高くない」という点では両者ともに“就職しやすい”部類と言えますが、診療放射線技師には求人確保の地域偏在・将来の人材確保リスクという留意点があります。
給料・年収の比較:最新平均値から読み解く
次に、給料・年収の観点で両者を比較します。
臨床工学技士の平均年収は約「459万円前後」と報じられており、全職種の平均とほぼ同水準です。([参照])
診療放射線技師の平均年収は最新データで「約537万円」とされ、医療系有資格職の中でも高めの水準となっています。([参照])
具体的には、経験年数・勤務施設・地域・夜勤・手当等によって大きく違うため、「自分がどんな施設・役割で働くか」が収入に影響します。
実例・働き方による差:どんなケースで収入アップするか
例えば、臨床工学技士が医療機器メーカーに転職し、専門技術+営業的役割を担った場合には「500~600万円以上」の求人も報告されています。([参照])
一方、診療放射線技師の場合、年齢45歳以上・主任・部門担当・夜勤ありという条件で年収600万円超という報告もあります。([参照])
つまり、どちらの職種も“普通の病院勤務”では平均値付近に止まりやすいですが、「専門性を高める」「夜勤・手当を取る」「転職・施設規模を選ぶ」ことで収入に差がつく構造です。
就職しやすさ&給料を踏まえた“向いている人”の特徴
これらのデータを踏まて、どちらが自身に向いているかを簡潔に整理します。
- 安定感・就職確実性を重視するなら:臨床工学技士。試験合格率・就職ルートともに安定傾向。
- 給料・将来性・高専門性を目指すなら:診療放射線技師。平均年収で優位で、将来的な需要も高めとの報告あり。
- 収入アップを狙うなら:いずれも「専門スキル/働く施設/役割/手当」がカギとなるため、早期からキャリア設計をすることが重要です。
まとめ:どちらが“有利”かという問いに対する結論
結論として、「就職しやすさ」では若干臨床工学技士に分があるものの、「給料の高さ・将来性」では診療放射線技師がやや有利というデータが示されています。
ただし、これは平均値の比較に過ぎず、最終的には「あなたの働きたい施設・専門分野・働き方(夜勤の有無・手当の有無)・キャリアプラン」がどれだけマッチしているかで“有利”かどうかが変わります。
どちらの道を選ぶにせよ、資格取得後のキャリア設計や専門性の深め方・施設選びを意識すれば、自分にとって満足できる働き方・収入を手に入れることが十分可能です。


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