CVP分析(Cost-Volume-Profit analysis)は、企業の収益構造を理解するための強力なツールです。特に、目標営業利益を達成するために必要な売上高を計算する公式は、試験や実務で非常に重要です。この公式に関して、なぜその式が成立するのかを理解することは、財務分析において非常に有益です。
目標営業利益を達成するための公式の背景
目標営業利益を達成するための売上高=固定費÷(貢献利益率−目標営業利益率)という式は、CVP分析の基本的な考え方に基づいています。この公式を理解するためには、まず以下の概念を押さえておくことが重要です。
- 固定費: 売上高に関係なく発生する費用。
- 貢献利益率: 売上高に対する貢献利益(売上高−変動費)の割合。
- 目標営業利益率: 売上高に対する目標営業利益の割合。
この公式は、企業がどれだけ売上を上げれば目標の営業利益に達するかを計算するためのものです。
なぜこの式が成立するのか?
公式の背景にある理論を理解するためには、まず営業利益の計算式を見てみましょう。営業利益は、売上高から変動費と固定費を引いたものです。つまり、次のように表せます。
営業利益 = 売上高 – 変動費 – 固定費
さらに、貢献利益とは「売上高 – 変動費」であり、貢献利益率はその比率です。この場合、貢献利益率 = (売上高 – 変動費)÷ 売上高 となります。
目標営業利益を達成するためには、次の条件を満たす必要があります。
目標営業利益 = 売上高 × 目標営業利益率
ここから、目標営業利益を貢献利益と固定費の関係に置き換えることができます。この結果、目標営業利益を達成するための売上高を求める式が次のように導かれます。
売上高 = 固定費 ÷ (貢献利益率 – 目標営業利益率)
公式を使った実際の計算例
例えば、固定費が500,000円、貢献利益率が60%、目標営業利益率が10%であるとします。この場合、目標営業利益を達成するために必要な売上高は次のように計算できます。
売上高 = 500,000 ÷ (0.60 – 0.10) = 500,000 ÷ 0.50 = 1,000,000円
つまり、1,000,000円の売上高を上げることができれば、目標営業利益を達成することができます。
まとめ
CVP分析を活用することで、企業は目標営業利益を達成するために必要な売上高を簡単に計算することができます。公式を理解することで、ビジネスにおける収益性の改善策を講じる際に非常に有益です。特に、貢献利益率と目標営業利益率の関係を正しく理解し、実際のビジネスに適用することが重要です。


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