在庫管理において、先入先出法(FIFO)や総平均法(Weighted Average)を使って費消額を計算する方法を理解することは重要です。ここでは、具体的な設例を基に、これらの計算方法を分かりやすく解説します。
1. 先入先出法(FIFO)の計算方法
先入先出法(FIFO)は、最初に仕入れた在庫から順番に使用していく方法です。この場合、期中の購入1が最初に消費され、その後期中購入2が消費されることになります。
この設例では、期中購入①10,000円(100個)の単価が100円、期中購入②20,000円(100個)の単価が200円です。100個の払出があるため、まず期中購入①から100個が消費されます。
したがって、費消額は、期中購入①の単価100円×100個=10,000円となります。
2. 総平均法(Weighted Average)の計算方法
総平均法は、すべての仕入れの総額を総数量で割り、その平均単価で費消額を計算する方法です。これにより、期中購入①と期中購入②の価格差を平均化します。
総平均単価は、(10,000円 + 20,000円) ÷ (100個 + 100個) = 30,000円 ÷ 200個 = 150円となります。
払出100個については、この平均単価150円×100個=15,000円となります。
3. 先入先出法と総平均法の違い
先入先出法(FIFO)は、最初に購入した商品の単価を優先して費消するため、単価の変動が大きい場合に影響を受けやすいです。一方、総平均法はすべての単価を平均して計算するため、単価の変動を平準化することができます。
したがって、先入先出法では購入①の安い価格が最初に使用され、総平均法では両方の価格が平均化されるため、費消額が異なります。
4. 実務での使い分けと注意点
先入先出法は、主に価格が安定しているか、物理的な在庫管理が重要な場合に使われます。逆に、総平均法は、価格の変動が大きい商品や、効率的に在庫管理を行いたい場合に有効です。
また、会計基準や企業の方針によって、使用する方法が定められている場合があるため、実際の使用に際しては、企業の会計方針に従うことが重要です。
まとめ
先入先出法と総平均法は、それぞれ異なる特徴を持つ在庫管理方法です。計算方法を理解し、状況に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。設例を通じて計算方法を把握した上で、実務に役立ててください。


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