簿記一級の企業結合における取得原価の求め方

簿記一級の試験では、企業結合に関する知識が求められます。特に、吸収合併の際の取得原価の計算は難解で、しっかりとした理解が必要です。この記事では、A社がB社を吸収合併した際の取得原価の求め方を解説します。

企業結合における取得原価とは

企業結合における取得原価は、合併企業が取得した資産や負債を取得するために支払った金額を示します。この金額には、交付した株式の額面や負債の引き受け額、その他の関連費用が含まれます。具体的にどのように計算するかについて説明します。

問題設定と必要なデータ

問題の設定では、A社がB社を吸収合併する際に、A社100株に対してB社60株の比率で合併が行われます。さらに、B社の株価は＠40円であり、合併比率はA社：B社＝1：2.5です。この情報をもとに、取得原価を求めます。

必要なデータは以下の通りです：
・A社株式数：100株
・B社株式数：60株
・合併比率：A社：B社＝1：2.5
・B社株価：＠40円

取得原価の計算方法

取得原価は、交付した株式数とその株式の価格を基に計算されます。まず、合併比率を基に、A社がB社の株主に交付するB社の株式数を求めます。A社100株に対してB社60株の比率で合併するため、B社株主に交付される株式数は100株 × 2.5 = 250株です。

次に、交付される株式の価値を求めます。B社の株価は＠40円であるため、250株 × 40円 = 10,000円が取得原価となります。この金額が、B社を吸収合併するために必要な資産の価格、すなわち取得原価です。

まとめ

吸収合併の際の取得原価は、交付した株式数と株価を基に計算されます。今回のケースでは、A社がB社を吸収合併するために支払った金額は10,000円であり、この金額がB社の資産と負債を引き受けるために必要な費用となります。簿記一級の試験では、このような計算方法を正確に理解し、実践できることが求められます。