令和7年の建築設備士試験では、ダクト系の設計に関する問題が出題されました。このような試験では、専門的な知識が求められるため、問題の解説をしっかり理解することが重要です。今回は、ダクト系の設計に関する問題の中で、特に注目すべき記述について解説し、最も不適当な選択肢を明らかにします。
ダクト系設計に関する問題の概要
この問題では、ダクト系設計に関連するいくつかの記述が与えられ、どれが最も不適当であるかを選ぶ形式となっています。選択肢は、送風機の運転方式やダクトの圧力損失に関する内容など、設計の基本的な知識を問うものです。これらの知識は、実際の設計業務でも重要な要素となります。
問題文の選択肢とその解説
選択肢のそれぞれを詳しく見てみましょう。
- 選択肢1:同一特性の送風機を2台直列運転する場合、合成された送風機静圧は、任意の同一風量におけるそれぞれの送風機静圧を加算したものと等しくなる。
- 選択肢2:送風機に接続するダクトの形状が、その送風機の運転性能に与える影響は、吐出し側より吸込み側のほうが大きい。
- 選択肢3:ダクトの圧力損失は、風量が一定の場合、ダクト内を流れる空気の温度が低下するほど大きくなる。
- 選択肢4:径1,000mm程度までの低圧ダクトの断面の寸法については、1m当たりの摩擦損失が0.8~1.5Pa程度となるように決定する。
この記述は正しいです。直列運転では、送風機の静圧が加算されるため、合成静圧は各送風機の静圧の合計になります。
こちらも正しい記述です。送風機の吸込み側のダクト形状が、吐出し側に比べて運転性能に大きな影響を与えることがあります。特に吸込み側の抵抗が大きくなると、送風機の効率が低下します。
これは不適当な記述です。圧力損失は、空気の温度が低下すると実際には小さくなる傾向があります。空気が冷却されると、密度が増し、流体の粘性が低下するため、圧力損失が減少するのです。
この記述は適切です。低圧ダクトにおける摩擦損失は、この範囲内に収まることが一般的であり、設計基準に基づいた計算が行われます。
最も不適当な選択肢
選択肢3が最も不適当であることが分かります。この記述は、圧力損失に関する基本的な物理法則に反しています。空気の温度が低下することで密度が増し、流体の粘性が減少するため、圧力損失が増加することはありません。したがって、選択肢3は誤りです。
まとめ
建築設備士試験において、ダクト系設計に関する問題は基礎的な知識が問われる重要な部分です。今回の問題の解説を通じて、送風機の運転方式やダクトの圧力損失に関する基本的な理解が深まったかと思います。試験に向けては、設計の原理や基準をしっかりと理解し、正しい知識を身につけていくことが大切です。


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