求人票に「離職率5%」と記載があるにもかかわらず、常に求人が掲載されている企業を目にすることがあります。このようなケースは一見矛盾しているように感じますが、背景にはいくつかの理由が考えられます。この記事では、その理由を具体的に解説していきます。
離職率と求人募集の関係
まず理解しておきたいのは、離職率の数値と求人募集状況は必ずしも直結していないという点です。離職率5%というのは「1年間に在籍している社員のうち5%が退職した」という意味ですが、それと求人の頻度は直接関係しません。
例えば、社員数が1万人規模の企業なら5%でも500人が離職することになります。規模が大きい企業ほど、離職率が低くても求人枠は多くなる傾向があります。
事業拡大による人員確保
求人を常時出している企業の多くは、事業拡大や新規プロジェクトに伴い常に人材を必要としているケースがあります。これは離職率とは無関係で、「人が辞めるから募集している」のではなく「会社の成長スピードに人員補充が追いつかない」という理由によるものです。
特にIT業界や介護・医療業界では、慢性的な人材不足により常時求人を出している企業が多いのが現実です。
求人広告をブランド戦略として活用
一部の企業は、求人を出すこと自体を企業PRの一環としています。常に求人情報を出すことで「勢いのある会社」「成長を続けている会社」というイメージを市場に発信しているのです。
また、常時募集をかけておくことで、優秀な人材がタイミング良く応募してくる可能性を高める狙いもあります。
離職率のカラクリに注意
離職率5%という数字にも注意が必要です。企業によっては「正社員のみ」「新卒のみ」など、計算方法を限定して低く見せているケースがあります。派遣社員や契約社員を含めると実際にはもっと高い可能性もあります。
したがって、求人票の数字を鵜呑みにせず、厚生労働省の統計データや口コミサイトを参考に実態を確認することが大切です。
応募者が取るべき対応
このような求人に出会った場合、応募前に次の点を確認することをおすすめします。
- 企業の規模(大規模企業は低離職率でも採用数が多い)
- 求人内容が「欠員補充」か「事業拡大」か
- 口コミやOB訪問で実際の職場環境をリサーチ
これにより「常に募集している理由」が見えてきます。
まとめ
求人に「離職率5%」とありながら常時募集しているのは、必ずしも矛盾ではありません。企業規模の大きさや事業拡大、ブランド戦略などさまざまな理由が考えられます。ただし、離職率の数字にはカラクリが潜んでいる場合もあるため、慎重にリサーチした上で応募を検討することが重要です。
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