TIG溶接で溶加棒を使った際に、溶融池が横に広がったり進行方向に対して後ろに下がる現象に直面することがあります。この問題を解決するために考えられる原因とその対策について解説します。
溶融池が横に広がる原因
溶融池が広がる主な原因は、電流の設定が高すぎることや、溶接速度が遅すぎる場合です。これにより、溶けた金属が必要以上に広がり、溶接ビードが不均一になりやすくなります。また、ガスシールドの流れが不安定であったり、溶接位置が不適切であることも影響します。
進行方向に後ろに下がる原因
溶接が進行方向に後ろに下がる現象は、溶接棒の角度が適切でない場合や、溶接トーチの移動速度が遅すぎる場合に起こります。溶融池が充分に冷却される前に次の部分に溶加棒を入れると、溶融池が前方ではなく後ろに引き込まれることがあります。
対策と改善方法
溶融池の広がりを防ぐためには、溶接電流を適切に設定し、溶接速度を調整することが重要です。また、溶接トーチの角度と位置を最適化し、ガスシールドの安定性を確認することも大切です。溶加棒を挿入するタイミングと角度を調整して、溶融池が適切に形成されるように心がけましょう。
まとめ
TIG溶接での溶融池の広がりや進行方向に後ろに下がる問題は、適切な電流設定、溶接速度、トーチの位置などを調整することで改善できます。溶接の技術を上達させるためには、練習と調整を繰り返すことが不可欠です。
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