簿記の問題で、車両運搬具を売却する際の仕訳について悩んでいる方も多いです。今回は、具体的な仕訳例とその解説を行います。問題内容として、取得した車両運搬具を売却し、売却代金を翌月に受け取るケースに対する仕訳方法を見ていきましょう。
問題内容の整理
まずは問題文を整理しましょう。取得した車両運搬具は、次の条件で売却されます。
- 取得日:〇1年7月1日
- 取得原価:3,000,000円
- 残存価額:0円
- 耐用年数:6年
- 減価償却方法:間接法
- 売却日:〇6年12月31日
- 売却金額:300,000円
- 売却代金の受け取り日:翌月10日
- 決算日:3月31日
これらの情報を基に、仕訳をどのように行うかを考えていきます。
減価償却の計算
まず、車両運搬具に対する減価償却の計算を行います。取得原価が3,000,000円で、耐用年数が6年ですので、年間の減価償却額は以下のように計算できます。
年間減価償却額 = 取得原価 ÷ 耐用年数 = 3,000,000円 ÷ 6年 = 500,000円/年
この金額は毎年減価償却費として計上されます。しかし、売却日が12月31日であり、決算日が3月31日ですので、月割り計算が必要です。
仕訳の手順
次に、仕訳を行います。車両運搬具の売却に関連する仕訳は以下の通りです。
1. 減価償却費の計上(1月〜12月)
12月までの減価償却費を計上します。年間の減価償却額は500,000円ですが、月割りで計算すると。
月次減価償却額 = 500,000円 ÷ 12ヶ月 = 41,667円/月
よって、12ヶ月分で以下の仕訳を行います。
借方:減価償却費 500,000円
貸方:減価償却累計額 500,000円
2. 車両運搬具の売却仕訳
次に、車両運搬具を300,000円で売却した場合の仕訳です。車両運搬具の帳簿価額(取得原価3,000,000円から減価償却累計額500,000円を引いた額)は、2,500,000円です。売却代金が300,000円なので、売却損が発生します。
借方:現金 300,000円
借方:売却損 2,200,000円
貸方:車両運搬具 3,000,000円
貸方:減価償却累計額 500,000円
売却代金の受け取り時の仕訳
売却代金が翌月の10日に受け取られるため、翌月に現金の受け取りを反映する仕訳を行います。
借方:現金 300,000円
貸方:未収金 300,000円
まとめ
今回の問題の仕訳は、減価償却の計算から始まり、売却の際には売却損の計上が必要です。また、売却代金を翌月に受け取るため、未収金を計上します。実際の仕訳は、財務諸表に正確に反映させるため、月割り計算や売却のタイミングに注意しながら行うことが重要です。
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