総合原価計算における仕損の按分方法|平均法と先入先出法の違い

簿記

総合原価計算では、仕損が発生した際の按分方法に関して、平均法と先入先出法(FIFO)で異なる計算方法が適用されます。特に、仕損が工程の途中で発生した場合、月初仕掛品や期末仕掛品との按分方法について悩むことがあります。この記事では、仕損費の按分方法に関する基本的な考え方を解説し、平均法での計算における注意点を説明します。

1. 総合原価計算における仕損費の按分方法

総合原価計算において、仕損が発生すると、仕損費は完成品と仕掛品に按分されます。仕損が発生するタイミングや仕損費の按分方法は、計算方法に応じて異なるため、注意が必要です。特に、平均法と先入先出法では仕損費の按分方法に違いがあります。

仕損が発生する工程の割合(例:60%)や、月初仕掛品と期末仕掛品の進捗度(例:月初70%、期末65%)も考慮しながら計算を行う必要があります。

2. 先入先出法(FIFO)での仕損費按分

先入先出法(FIFO)では、月初仕掛品の加工進捗度が仕損の発生点より後ろの場合、完成品数量から月初仕掛品の数量を引いて、その分を期末仕掛品に按分する方法が一般的です。これは、月初仕掛品の製造過程で発生した仕損が完成品に含まれないためです。

具体的には、月初仕掛品は既に処理されたものとして扱い、その分を仕損費に反映させない形で計算します。

3. 平均法での仕損費按分

平均法では、すべての仕掛品(月初仕掛品、期末仕掛品、完成品)に対して均等に仕損費を按分します。この場合、完成品の数量から月初仕掛品の数量を引くことはありません。月初仕掛品も期末仕掛品も、仕損発生点で発生した損失を平等に受けることになります。

つまり、平均法では、月初仕掛品の数量が仕損費に含まれることになりますが、仕損費の按分は完成品と期末仕掛品に均等に行われるため、別途の調整は必要ありません。

4. 仕損費の正確な按分計算の重要性

仕損費を正確に按分することは、原価計算において非常に重要です。計算ミスがあると、製品の単価や利益が誤って算出されるため、管理会計や財務報告に大きな影響を与える可能性があります。

そのため、仕損発生のタイミングや進捗度、月初仕掛品と期末仕掛品の関係をしっかりと把握し、適切な方法で按分することが求められます。

5. まとめ

総合原価計算における仕損費の按分方法は、使用する計算方法によって異なります。平均法では、月初仕掛品も仕損費の按分対象となるため、完成品数量から月初仕掛品の数量を引く必要はありません。一方、先入先出法では、月初仕掛品の数量を引いた後に按分を行います。どちらの方法でも、仕損費を適切に按分することで、原価計算を正確に行うことができます。

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