IFRSを適用する企業が、持分法適用会社の株式を取得するために要した付随費用(取得関連費用)をどのように処理するかは、財務諸表作成において重要なポイントです。特に、取得関連費用が投資原価に含まれるのか、それとも費用として扱われるのか、そしてその処理方法がどの基準書に基づいているのかを理解しておくことが必要です。この記事では、IFRSにおける持分法適用会社の取得関連費用の処理について解説します。
IFRSにおける取得関連費用の処理
IFRSにおいて、取得関連費用(投資のために要した付随費用)は、通常、費用として処理されます。具体的には、IFRS 3号「企業結合」において、企業結合に関連する直接的な費用は費用として認識することが求められています。したがって、関連会社の株式を取得するための費用は、投資原価に含めるのではなく、費用として計上することが原則となります。
この処理は、企業結合における合併や買収と同様の処理が求められ、取得関連費用を費用計上することが一般的です。従って、持分法適用会社に関しても同じ基準が適用されます。
日本基準とIFRSの違い
日本基準においては、連結子会社と持分法適用会社に対する取得関連費用の処理が異なる場合があります。日本基準では、連結子会社の取得関連費用は費用として計上される一方、持分法適用会社の株式を取得するための付随費用は投資原価に含めることが認められています。
一方、IFRSでは、取得関連費用は通常、企業結合の一環として費用計上することが義務付けられており、これにより持分法適用会社の取得関連費用も投資原価に含めることはありません。この違いが、IFRS適用企業の会計処理において重要なポイントとなります。
持分法適用会社の処理方法と関連基準
持分法適用会社に関する処理方法は、主にIFRS 10号「連結財務諸表」とIFRS 28号「関連会社および共同支配企業への投資」に基づいて行われます。IFRS 28号では、持分法適用会社に関して、関連会社に対する投資をどのように扱うかについて記述されています。
取得関連費用が投資原価に含まれないことに加えて、持分法適用会社の場合は、取得後に投資がどのように評価されるかについても詳細に規定されています。これにより、IFRSを適用する企業は、持分法適用会社に関連する投資について適切に処理しなければならないことが強調されています。
まとめ:IFRS適用企業の会計処理における注意点
IFRS適用企業において、持分法適用会社の株式を取得するために要した取得関連費用は、通常、投資原価には含まれず、費用として計上されます。この処理方法は、企業結合に関するIFRS 3号に基づいており、関連会社の取得に伴う付随費用を正しく会計処理することが求められます。
一方、日本基準では、持分法適用会社に対する取得関連費用の処理方法に違いがあるため、IFRSを適用する場合と比較して理解が必要です。IFRSに基づく会計処理を行う際は、関連する基準を正確に理解し、適切な処理を行うことが重要です。
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