特定非営利活動法人(NPO法人)を設立する際、初年度と翌年度の事業予算書を作成することは、法人の運営計画を明確にし、信頼性を高めるために重要です。この記事では、NPO法人設立時に必要な2年間分の事業予算書の作成方法とそのポイントについて詳しく解説します。
1. 事業予算書とは?
事業予算書は、法人が予定する収入と支出を予測し、計画的な運営を行うための重要な書類です。設立当初は、法人の活動内容や収支の見込みを具体的に示すことで、所轄庁への信頼性を向上させます。
2. 事業予算書の基本構成
事業予算書は、以下の主要項目で構成されます。
- 収入の部
- 受取会費(正会員・賛助会員)
- 受取寄附金
- 受取助成金等
- 事業収益
- その他収益(雑収入など)
- 支出の部
- 事業費(人件費、活動費など)
- 管理費(事務所経費、通信費など)
- その他の支出(借入金返済など)
- 当期収支差額
- 収入合計 – 支出合計
- 繰越収支差額
- 前期繰越収支差額 + 当期収支差額
これらの項目を明確に記載することで、法人の財務状況を把握しやすくなります。
3. 2年間分の予算作成のポイント
設立初年度と翌年度の予算を作成する際のポイントは以下の通りです。
- 初年度(設立当初)の予算:
- 設立時の資金状況を基に、収入と支出を見積もります。
- 活動開始に必要な初期費用(事務所設立費用、備品購入費用など)を計上します。
- 収入が見込めない場合でも、必要な支出を計上し、赤字にならないように注意します。
- 翌年度の予算:
- 初年度の実績を基に、収入と支出の見込みを立てます。
- 活動の拡大や新たな事業の開始を考慮し、必要な予算を計上します。
- 収支バランスを考慮し、無理のない計画を立てます。
これらのポイントを押さえることで、現実的で実行可能な予算を作成できます。
4. 参考資料とテンプレートの活用
事業予算書の作成には、以下の参考資料やテンプレートが役立ちます。
これらの資料を参考に、具体的な数値や項目を設定し、法人の実情に合った予算書を作成しましょう。
5. まとめ
NPO法人設立時の事業予算書は、法人の活動計画を明確にし、所轄庁や支援者への信頼性を高めるために重要です。収入と支出の見込みを具体的に示し、現実的な予算を作成することで、法人の運営が円滑に進みます。参考資料やテンプレートを活用し、計画的な予算作成を心掛けましょう。
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