財務3級試験でよく出題されるROA(総資産営業利益率)とROE(自己資本当期純利益率)の計算方法について、実際の問題を例にとり、解説します。特にROAの改善に伴ってROEがどのように変化するかを理解することが重要です。今回は、営業利益が増加した際にROEがどのように算出されるのかを解説します。
ROA(総資産営業利益率)とROE(自己資本当期純利益率)の基本的な計算方法
まず、ROAとROEの計算方法をおさらいしましょう。ROAは、総資産に対する営業利益の割合を示します。一方、ROEは、自己資本に対する当期純利益の割合を示し、企業の自己資本に対する収益性を評価する指標です。
ROAの計算式は以下の通りです。
ROA = 営業利益 ÷ 総資産 × 100
ROEの計算式は以下の通りです。
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
問題での計算過程の解説
問題では、営業利益が増加し、ROAが12%に改善したときのROEを求めるという内容です。このとき、営業利益の増加によりROAが改善するため、ROEも変化します。解答のポイントとして、まず営業利益を基に税引前の当期純利益を計算し、その後税金を引いて当期純利益を算出します。次に、その当期純利益を基にROEを計算します。
ここで注意が必要なのは、解答で使われている営業利益が2000ではなく、ROAが12%であるため、営業利益は240となっている点です。この値を使用して計算を行います。具体的には、営業利益240に営業外収益30と営業外費用10を加減して、税引前当期純利益を計算します。
営業利益の増加によるROAとROEの関係
ROAが改善することで、営業利益が増加し、それに伴いROEも増加することがわかります。今回の問題では、ROAの改善により、税引前当期純利益が増加し、その結果として当期純利益も増加します。最終的に、ROEは22.8%となります。
これは、営業利益が2000×12%で240となった結果、税引前当期純利益が240+30-10=260、そして法人税を差し引いて当期純利益が182となるためです。ROEは、182÷800×100で22.8%となります。
営業利益とROEの計算における重要なポイント
営業利益の計算とROEの算出において重要なのは、税引前当期純利益の計算過程を正確に行い、最終的な当期純利益を確実に求めることです。また、ROEを算出するためには、自己資本額に対する当期純利益の割合を正確に計算する必要があります。
さらに、問題文における数値がどのように計算されるのかを正しく理解し、公式を適切に適用することが解答の鍵となります。
まとめ:ROAとROEの計算をマスターしよう
ROAとROEは財務3級試験で頻出の重要な指標です。ROAが改善すると、営業利益が増加し、最終的にROEも改善することがわかりました。計算過程をしっかり理解し、公式を使いこなせるように練習を重ねることが合格への近道です。今回の問題では、営業利益の増加に伴い、ROAとROEがどのように変化するのかを正確に計算することが求められます。
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