貸付を行った際に、貸付先の業況が悪化し、条件を見直さざるを得ない場合、貸倒見積高を再計算する必要があります。この記事では、実際に貸付条件を見直した場合の貸倒見積高の計算方法を、具体例を挙げて解説します。
貸倒見積高の計算について
貸倒見積高とは、貸付が回収されないリスクに備えて、貸倒れの可能性を考慮して引当金を設定するための金額です。通常、貸付先の業況が悪化した場合には、そのリスクに対応するために計算を行います。ここでは、具体的な条件変更を考慮した場合の貸倒見積高の計算方法を説明します。
①弁済条件を大幅に緩和し、利払を免除した場合の計算
まず、利払を免除し、1年後と2年後の償還金額の現在価値を求める必要があります。以下のステップで計算します。
- 1年後の利息(¥ )の現在価値
- 2年後の償還金額(¥ )の現在価値
- これらの合計額から、元本やその他の調整を差し引いて貸倒見積高を算出
具体的な計算方法として、利率を4%として、1年後と2年後の支払予定額を現在価値に割引いて計算する必要があります。これにより、貸倒れリスクを減らすために必要な引当金が決まります。
②弁済条件を大幅に緩和し、利子率を年2%に変更した場合の計算
次に、利子率を年2%に変更した場合の計算方法を見ていきましょう。1年後の利息と2年後の償還金額について、それぞれ年利2%で現在価値を計算します。利率変更によって、返済金額や貸倒見積高はどのように影響を受けるかを計算することが重要です。
計算の結果、利率が低くなることで、元本の現在価値が増減するため、変更後の貸倒見積高も調整が必要になります。
貸倒見積高の算出方法のまとめ
貸倒見積高は、貸付先の経済状況や返済条件の変更により、毎年見直しが必要となる場合があります。上記のような計算方法を使用して、貸倒リスクに備えることが重要です。実際の計算では、元本や利息、償還金額のタイミングに基づいて適切に割引率を設定し、現在価値を算出することが求められます。
また、貸倒見積高を適切に設定することは、企業の財務リスクを減らすために不可欠であり、計算に際しては専門的な知識を持つ担当者と連携することが重要です。
コメント