簿記2級の試験では、子会社の当期純損益の振替に関する問題が出題されることがあります。特に、借方に非支配株主に帰属する当期純損益が計上される理由については、理解が難しい部分でもあります。本記事では、なぜ親会社が子会社の利益の一部を受け取れないのか、そしてその振替処理の仕組みについて解説します。
非支配株主と親会社の関係
親会社と子会社の関係において、親会社は子会社の利益の一部を支配しますが、非支配株主は子会社の利益に対して支配権を持たない株主です。このため、親会社は子会社の利益の一部を直接受け取ることができない場合があります。そのため、非支配株主に帰属する当期純損益が計上されるのです。
非支配株主とは、親会社が子会社の株式の過半数を保有していない場合の、子会社の少数株主を指します。親会社が支配権を持つものの、少数株主の持分に対しては支配することができないため、その利益は親会社のものではなく、非支配株主に帰属することになります。
当期純損益の振替処理の目的
子会社の当期純損益を振り分ける際に、非支配株主に帰属する部分は別途計上されます。この振替処理の目的は、親会社が支配権を持っている一方で、少数株主の利益を適切に反映するためです。簿記の仕訳としては、非支配株主に帰属する当期純損益を別に計上することで、親会社と子会社の財務諸表を正確に分けることができます。
この振替処理を行うことで、親会社の財務諸表における利益計上と、少数株主の持分に対する配分を明確にすることができます。つまり、親会社は支配権を持ちながらも、子会社の利益の一部を受け取れないため、非支配株主の分を別途振り分けるという処理が行われます。
実際の仕訳の例
例えば、子会社の当期純損益が100万円だった場合、そのうち親会社に帰属する部分が80万円、非支配株主に帰属する部分が20万円と分けられます。この場合、仕訳は以下のようになります。
- 借方:非支配株主に帰属する当期純損益 20万円
- 貸方:親会社に帰属する当期純損益 80万円
このように、非支配株主に帰属する部分が借方に計上され、親会社に帰属する部分が貸方に計上されます。これによって、財務諸表が正確に反映されることになります。
まとめ:親会社と非支配株主の利益分けと簿記の重要性
簿記2級の試験における子会社の当期純損益の振替処理では、非支配株主に帰属する利益を適切に計上することが重要です。親会社は子会社の利益の一部を受け取れない場合があるため、その分を非支配株主に帰属させる処理を行います。
この処理を理解することで、親会社と子会社の関係や少数株主の持分に対する会計処理がクリアになり、簿記の問題に対応するための基盤を作ることができます。
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