日商簿記2級工業簿記:直接原価計算による損益計算書と損益分岐点の計算方法

簿記

日商簿記2級の工業簿記では、直接原価計算や損益分岐点の計算が重要なテーマとなります。この記事では、具体的な財務データをもとに、損益計算書の作成方法や損益分岐点、目標営業利益の達成方法、安全余裕率などについて、実際の計算例を交えて詳しく解説します。

直接原価計算による損益計算書の作成

まず、直接原価計算とは、変動費を売上高に直接対応させる計算方法です。これにより、製造原価や販売費の中で直接変動する費用を考慮し、固定費を分離します。具体的な財務データをもとに、直接原価計算方式による損益計算書を作成しましょう。

次年度予想の売上高は200,000円、変動費は60,000円、固定費は42,000円です。これを使って、直接原価計算による損益計算書を作成します。

損益分岐点の計算方法

損益分岐点とは、利益がゼロとなる売上高や販売数量のことです。これを求めるためには、固定費を貢献利益(売上高から変動費を引いた額)で割ることで計算できます。次に、販売数量に基づいた損益分岐点の求め方を見ていきましょう。

損益分岐点売上高の計算式は次のようになります。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷(1 – 変動費率)

目標営業利益の達成に必要な販売数量と売上高

目標営業利益を達成するためには、目標営業利益に必要な売上高を求め、そこから必要な販売数量を算出します。目標営業利益が140,000円の場合、販売価格と変動費を考慮して目標売上高と必要数量を求めましょう。

この計算では、まず目標営業利益をカバーするために追加の売上が必要となり、これを販売価格で割ることで販売数量を求めることができます。

安全余裕率と経営レバレッジ係数の計算方法

安全余裕率は、実際の売上高が損益分岐点をどれだけ上回っているかを示す指標です。経営レバレッジ係数は、営業利益が売上高の変動に対してどれだけ敏感であるかを測る指標です。

安全余裕率の計算式は次の通りです。

安全余裕率 =(実際の売上高 – 損益分岐点売上高) ÷ 実際の売上高

まとめ

日商簿記2級の工業簿記では、直接原価計算、損益分岐点の計算、目標営業利益の達成、そして安全余裕率や経営レバレッジ係数など、経営に必要な基本的な指標を理解し、計算する能力が求められます。この記事を参考に、実際のデータを使って計算を行い、工業簿記の理解を深めていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました