商業簿記2級の試験でよく出題される「その他有価証券評価差額金」について、特に再振替仕分に関連する部分で迷うことがあります。この記事では、その他有価証券評価差額金の金額計算における再振替仕分の取り扱いについて詳しく解説します。
その他有価証券評価差額金とは?
その他有価証券評価差額金は、企業が保有する有価証券の評価額が期末において帳簿価額と異なる場合に発生する差額のことです。この差額は、損益計算書に計上されることはなく、貸借対照表の「その他有価証券評価差額金」として計上されます。
その他有価証券の評価方法としては、取得原価法や時価法を使用することがあります。評価差額は、簿価(取得原価)と時価との差額であるため、時価が上昇すれば評価差額金は正の値になり、下降すれば負の値になります。
再振替仕分とは?
再振替仕分は、前期に計上された評価差額金を、期首に訂正するための仕訳です。具体的には、評価差額金を反映させた後、当期の決算時にその差額を取り消す仕訳を行います。
再振替仕分は、評価差額金が貸借対照表に反映される前に行うもので、通常は決算の際に実施されます。しかし、評価差額金が期末の財務諸表に計上される際には、この再振替仕分の影響は除外されることが一般的です。
再振替仕分を含めるべきかどうか
質問者が迷っている点は、再振替仕分を当期の財務諸表に含めるべきかどうかということです。解答では再振替仕分は含まれない理由は、再振替仕分が実際の評価額とは直接関係ないためです。
評価差額金はあくまで期末時点での評価額に基づいて計上されるものであり、再振替仕分は期首における調整にすぎません。そのため、再振替仕分は財務諸表に反映されることなく、評価差額金の金額は当期の評価額を基に計算されます。
具体例での解説
例えば、期首で評価差額金が10万円だった場合、再振替仕分を行って評価額を調整します。しかし、期末の評価差額金が15万円になった場合、最終的に計上される評価差額金は15万円であり、再振替仕分はこの金額には影響を与えません。
再振替仕分を含めず、期末の評価額に基づいた評価差額金を計算することが、商業簿記2級の問題で求められる正しい解答となります。
まとめ
商業簿記2級において、再振替仕分は当期の財務諸表に直接的な影響を与えません。評価差額金は、期末時点での有価証券の時価評価に基づいて計算され、再振替仕分はあくまで調整処理として期首に行われます。試験問題で求められている評価差額金の金額は、再振替仕分を含めずに計算することが重要です。