簿記2級の試験では、非支配株主に帰属する当期純損益勘定について理解することが重要です。今回は、この勘定の仕訳や、どう扱うべきかについて説明します。具体的な仕訳例をもとに、実務での取り扱いについて詳しく見ていきましょう。
非支配株主に帰属する当期純損益とは?
非支配株主に帰属する当期純損益とは、親会社が持っていない子会社の株式に関連する利益や損失を指します。親会社が支配していない部分の利益や損失であり、非支配株主の持ち分に帰属するため、親会社の当期純利益とは別に区別されます。
例えば、子会社の当期純利益が100の場合、非支配株主が40%の持ち分を持っていれば、40%にあたる40が「非支配株主に帰属する当期純損益」として振り分けられます。この金額が、非支配株主の持ち分に対応する利益や損失になります。
仕訳の取り扱い:非支配株主に帰属する当期純損益
TACの教科書で学んだ通り、非支配株主に帰属する当期純損益を振り分ける際の仕訳は以下の通りです。
借方:非支配株主に帰属する当期純損益 40
貸方:非支配株主持分当期変動額 40
この仕訳においては、非支配株主に帰属する当期純損益が発生し、それに対応する金額が貸方に記録されます。特に、親会社の持ち分ではなく、非支配株主の持ち分に関連する損益の変動を反映させる点がポイントです。
赤字が発生した場合の取り扱い
質問者が述べているように、非支配株主に帰属する当期純損益勘定に借方残高が発生した場合、これは「非支配株主に帰属する当期純損失」が発生したということになります。
その後、この損失を繰越利益剰余金として振り替える際の仕訳は以下のように行います。例えば、非支配株主に帰属する繰越利益剰余金を記録する場合、
借方:非支配株主に帰属する繰越利益剰余金 40
貸方:非支配株主に帰属する当期純損益 40
この仕訳により、損益が繰越利益剰余金に転送され、次期以降に影響を与えないように処理されます。
まとめ
非支配株主に帰属する当期純損益の取り扱いについては、親会社の支配外の利益や損失を明確に区分し、仕訳を行う必要があります。今回説明したように、利益が発生した場合の仕訳や、損失が発生した場合の繰越処理を理解しておくことが重要です。簿記2級の試験では、実務に役立つこうした仕訳の理解が求められますので、しっかりと復習しておきましょう。