簿記3級:営業用車両の売却に関する仕訳と解説

簿記

簿記3級の学習では、営業用車両の売却に伴う仕訳がよく出題されます。今回は、営業用の乗用車を売却した場合の仕訳について詳しく解説します。取得原価や減価償却累計額、売却代金の受け取り時期を考慮した仕訳方法を説明し、実務でも役立つ知識を身につけましょう。

1. 売却に関する基本的な情報

まず、売却する車両の取得原価、減価償却累計額、売却額などの基本情報を整理しましょう。今回のケースでは、以下のようなデータが与えられています。

  • 取得原価:¥2,000,000
  • 減価償却累計額:¥1,200,000
  • 売却代金:¥300,000

これらのデータを基に、売却に伴う仕訳を行います。特に、減価償却を考慮した簿価の計算が重要です。

2. 簿価の計算方法

簿価は、取得原価から減価償却累計額を差し引いた額です。今回の場合、簿価は次のように計算されます。

簿価 = 取得原価 – 減価償却累計額 = ¥2,000,000 – ¥1,200,000 = ¥800,000

したがって、車両の簿価は¥800,000となります。この簿価と売却代金を元に、仕訳を行います。

3. 売却に伴う仕訳の作成

売却時の仕訳は、次のように行います。

  • 売却によって受け取る代金:¥300,000
  • 車両の簿価:¥800,000
  • 売却損益の計算:売却代金 – 簿価 = ¥300,000 – ¥800,000 = -¥500,000(売却損)

この売却による損失は、損益計算書に反映させる必要があります。

したがって、仕訳は以下の通りです。

仕訳

借方 金額 貸方 金額
現金 ¥300,000 車両(取得原価) ¥2,000,000
減価償却累計額 ¥1,200,000 売却損 ¥500,000

この仕訳により、売却代金の受け取りと、車両の帳簿からの除却、売却損の計上が行われます。

4. 受け取り時期の考慮

今回のケースでは、売却代金が月末に受け取ることになっています。このため、受け取り時期を反映した仕訳を別途行う必要があります。現金の受け取りが遅延する場合は、未収金として計上することが一般的です。

したがって、月末に受け取るまでの仕訳は以下のようになります。

仕訳(受け取り時期)

借方 金額 貸方 金額
未収金 ¥300,000 現金 ¥300,000

これにより、現金を受け取る前に未収金として処理し、実際に現金を受け取った時点で未収金が消し込まれます。

5. まとめ

営業用車両の売却に伴う仕訳は、取得原価、減価償却累計額、売却代金を元に計算されます。売却損益を正確に計上することが重要であり、受け取り時期に応じて未収金を処理することも必要です。簿記3級では、こうした基本的な仕訳処理を理解し、実務に役立つ知識を身につけることが求められます。

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