簿記3級の勉強をしていると、損益勘定から当期純利益を計算し、それを繰越剰余金に計上する仕訳について疑問を抱くことがあるかもしれません。特に、なぜ借方（左側）に損益が来るのかについての理解が難しい方も多いでしょう。この記事では、その仕訳の流れと理由を詳しく解説します。
損益勘定とは
損益勘定は、会社の一定期間における収益と費用をまとめる勘定です。この勘定によって、その期間の最終的な利益（または損失）が明らかになります。収益が費用を上回った場合は利益となり、費用が収益を上回った場合は損失となります。
例えば、売上高や仕入れ、給与などが収益や費用に該当し、これらが合計されて最終的な当期純利益が計算されます。
繰越剰余金への計上
当期純利益は、損益勘定を締めた後、繰越剰余金に計上されます。これは、企業の資本に組み込まれ、翌期以降の運営に使用されます。繰越剰余金は、基本的に企業の過去の利益の積み上げとして扱われます。
この計上の際、仕訳は「損益勘定／繰越剰余金」の形になります。この時に「損益勘定」の金額が借方に来る理由については、次の説明で詳しく見ていきます。
借方に損益が来る理由
まず、簿記では借方と貸方の仕訳が必ず対応する必要があります。損益勘定は、その期間の収益や費用をまとめて表示する勘定です。期間中の収益や費用の差額が、最終的に当期純利益として「損益勘定」に計上されます。
損益勘定に残った利益（または損失）を繰越剰余金に移す際には、損益勘定の残高を締める必要があります。この際、借方に損益が来るのは、損益勘定が一度「利益」として計上された後、それを「ゼロ」にするための処理として繰越剰余金に移行するからです。つまり、利益を資本に移すことによって、その時点で損益勘定の残高をクリアすることが求められます。
まとめ
損益勘定から繰越剰余金に計上する仕訳で、借方に損益が来る理由は、損益勘定の残高をゼロにするための処理であるためです。これにより、当期純利益が繰越剰余金として資本に組み込まれ、次期以降の運営資金として利用されます。この仕訳の流れを理解することで、簿記の基礎的な知識を深めることができます。
