簿記2級の学習において、仕損品の処理方法は重要なポイントとなります。特に「度外視法」や「先入先出法（FIFO）」が関わる場合、仕損品の扱い方に疑問が生じることがあります。この記事では、仕損品の発生タイミングや、なぜ度外視法では当月投入量からしか仕損品分を引かないのかについて解説します。
度外視法とその特徴
度外視法は、仕損品を計算する際に「当月投入量」だけを基に処理する方法です。この方法では、月初の仕掛品や前月からの持ち越し分は考慮せず、当月に新たに投入した材料に発生した仕損品を基に評価します。この処理法が採用される背景には、計算をシンプルに保ち、過去の仕掛品の影響を最小化するという目的があります。
例えば、月初に仕掛品が残っていて、その一部で仕損が発生した場合でも、その損失分は度外視法の計算では考慮しません。これは、あくまで「当月の進捗」に焦点を合わせるためです。
仕損品の発生タイミングと度外視法の適用
質問にある通り、仕損品が工程の途中で発生する場合、月初の仕掛品に対しても損失が発生する可能性は確かにあります。これに対して、度外視法ではなぜ当月の投入量だけを基に計算を行うのでしょうか。
その理由は、度外視法が「当月の業務」における仕損品を重視するためです。月初仕掛品の損失を計算に加えると、複雑さが増し、計算を簡潔に保つという度外視法の目的に反するため、あくまで当月の投入分だけを評価する方法が選ばれます。
先入先出法（FIFO）との関係
先入先出法（FIFO）は、在庫の管理方法で、古いものから先に使用していく方法です。仕損品の扱いに関して、FIFO法では月初の仕掛品の影響を受けることがあるため、度外視法とは別のアプローチになります。しかし、FIFOを採用しても、仕損品の計算方法が変わるわけではなく、度外視法が適用される場合には月初の仕掛品の影響を無視するという点では一貫性があります。
実際には、FIFO法であっても度外視法を使う理由は、あくまで「月ごとの進捗を評価する」という簿記の基本的なアプローチに基づいています。
まとめ
仕損品の処理方法において、度外視法では当月投入分のみを基に仕損品の評価が行われます。これは計算をシンプルに保つための方法であり、月初仕掛品の影響を考慮しない理由です。先入先出法（FIFO）とは関係なく、度外視法ではあくまで「当月」の進捗に焦点を当てて計算を行います。簿記の学習において、この点を理解しておくことは重要です。
