簿記3級の固定資産売却時の減価償却累計額移動についての正しい理解

簿記

簿記3級の決算手続きで固定資産を売却する際、減価償却累計額がどのように処理されるかについて、よく質問が寄せられます。特に、減価償却累計額を貸方から借方に移動させる理由について理解が不十分な場合も多いです。本記事では、この処理の意図や流れについて詳しく解説します。

減価償却累計額の基本的な役割

まず、減価償却累計額は固定資産の購入時に設定された価値が、使用や経年によりどの程度減少したかを示す金額です。通常、固定資産を購入するとき、減価償却累計額は貸方に記録されます。この金額は、資産が使用されるたびに増えていきます。

具体的には、減価償却は毎年、固定資産の価値を徐々に減少させるための処理です。そのため、貸借対照表上で固定資産の実際の価値を反映するために、減価償却累計額は重要な役割を果たします。

固定資産売却時の減価償却累計額の移動

固定資産を売却する際、減価償却累計額は通常、売却する固定資産の帳簿価額から取り除く必要があります。この際、貸方に記録された減価償却累計額が借方に移動する理由は、売却した資産の帳簿からその減価償却額を消去するためです。

例えば、10万円の固定資産を購入し、その後5年間で5万円分の減価償却を行っていた場合、売却時にはその減価償却額(5万円)を借方に記入して消去します。これにより、売却した資産の帳簿上で、減価償却が消失した形になります。

減価償却累計額を移動させる意図とは?

減価償却累計額を移動させる目的は、売却した固定資産の評価を正確に反映させるためです。売却した固定資産については、残存価額を正確に記録する必要があり、そのために減価償却累計額を移動させることが求められます。

この処理を行うことで、決算時に正しい貸借対照表を作成することができます。売却後、減価償却がそのまま残っていると、資産の実際の価値が不正確になり、正しい財務状況が把握できなくなります。

実際の仕訳例とその流れ

実際に売却時の仕訳を行う場合、次のように記入されます。

借方 貸方
固定資産売却益(または売却損) 固定資産
減価償却累計額 現金または預金

このように、売却する資産に関連する減価償却累計額を借方に記入し、売却益または売却損を計上することになります。

まとめ

固定資産の売却における減価償却累計額の移動は、売却した資産の帳簿価額を正確に反映するための重要な処理です。減価償却累計額が借方に移動することで、売却後の財務諸表が正確になります。これにより、決算書類が適切に作成され、経営判断に必要な正しい情報を提供できます。

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