銀行業務検定3級の試験でよく出題されるキャッシュフロー計算書の問題において、営業活動によるキャッシュフローの額を計算する方法について解説します。問題文にある情報をもとに、どのように計算するのか、そして各選択肢の正誤について詳しく見ていきます。
問題文の概要
問題では、以下の情報が与えられています。
- 法人税等の支払額:30百万円
- 売上債権の増加額:50百万円
- 税引前当期純利益:90百万円
- 仕入債務の増加額:15百万円
- 利息の支払額:7百万円
- 棚卸資産の増加額:40百万円
- 有形固定資産売却損:10百万円
- 支払利息:5百万円
- 減価償却費:25百万円
これらの情報を基に、営業活動によるキャッシュフローを計算する方法について詳しく解説します。
営業活動によるキャッシュフローの計算方法
営業活動によるキャッシュフローは、税引前当期純利益をもとに、以下の調整項目を加減して算出します。
- 法人税等の支払額:キャッシュアウト項目なので減算します。
- 売上債権の増加額:売上債権が増加している場合、キャッシュが減少したことを意味するため、減算します。
- 仕入債務の増加額:仕入債務が増加している場合、キャッシュが増加したことを意味するため、加算します。
- 利息の支払額:利息は営業活動に関連する支出なので減算します。
- 棚卸資産の増加額:棚卸資産が増加した場合、キャッシュが減少したことを意味するため、減算します。
- 有形固定資産売却損:これは営業活動外の項目であり、調整項目として加算します。
- 支払利息:支払利息は営業活動に関連するため、減算します。
- 減価償却費:減価償却費は非現金項目なので加算します。
計算式の適用
税引前当期純利益90百万円に対して、以下の項目を加減算します。
- 法人税等の支払額:-30百万円
- 売上債権の増加額:-50百万円
- 仕入債務の増加額:+15百万円
- 利息の支払額:-7百万円
- 棚卸資産の増加額:-40百万円
- 有形固定資産売却損:+10百万円
- 支払利息:-5百万円
- 減価償却費:+25百万円
これを計算すると、営業活動によるキャッシュフローは次のように算出されます。
90 – 30 – 50 + 15 – 7 – 40 + 10 – 5 + 25 = 18百万円
選択肢の確認
この計算結果から、営業活動によるキャッシュフローは18百万円であることが分かります。したがって、正しい選択肢は。
- (1) 18百万円
まとめ
キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローの額を求めるためには、税引前当期純利益を基に、適切な調整項目を加減算することが重要です。この問題では、さまざまな支出や収益に関連する項目を正しく処理し、最終的な営業活動によるキャッシュフローを計算することが求められます。