総合原価計算における「仕損」の取り扱いは、製造業において重要な要素です。仕損が発生した場合、どのようにコストを分担するかによって計算方法が異なります。特に、正常仕損度外視法と正常仕損非度外視法は、仕損の発生点が不明な場合にどのように取り扱うかが異なります。本記事では、正常仕損度外視法と正常仕損非度外視法の違いについて詳しく解説します。
正常仕損度外視法とは?
正常仕損度外視法は、仕損が発生した場合にその原因を追及せず、全ての仕損を製造コストに加算する方法です。この方法では、仕損が発生した際に発生点を特定することなく、製造した商品のコストに仕損分を直接加えるため、製品ごとのコストに一律で影響を与えます。仕損が発生した場合、その負担を製品全体で分ける形になります。
正常仕損非度外視法とは?
正常仕損非度外視法は、仕損の発生点を追求し、その発生点に応じた負担を求める方法です。この方法では、仕損が発生した場合、その原因を追及して、どの工程で問題があったのかを特定します。仕損が正常と判断される場合、そのコストは製品に加算されますが、仕損の発生点が不明な場合や、製造工程において仕損の責任を分担する形で負担を求めます。
発生点が不明な場合の対応
発生点が不明な場合でも、正常仕損非度外視法では、仕損に対するコストの負担を製品全体に分ける形になることが一般的です。しかし、発生点が特定できない場合には、製造者や工程に関する情報が不足しているため、コスト分担を明確にすることが難しくなります。この場合、会社内での負担割合や責任分担を再検討することが必要です。
仕損の発生点が不明な場合の対応方法
仕損が発生した場合、その発生点が不明であると、コスト計算が難しくなることがあります。この場合、製造工程の管理を見直し、どの段階で問題が起きたのかを特定することが求められます。また、発生点が不明な仕損については、経理や製造部門間で調整を行い、適切な負担方法を導き出す必要があります。
まとめ
総合原価計算における仕損の取り扱いは、仕損が発生した場合のコスト分担方法によって異なります。正常仕損度外視法では、発生点が不明な場合でも一律でコストに加算されますが、正常仕損非度外視法では、発生点を追求し、仕損の負担を製造工程に応じて分担します。発生点が不明な場合には、再調査や工程管理を通じて責任の所在を明確にし、適切なコスト計算を行うことが重要です。