簿記2級のダウンストリーム取引に関して、非支配株主持分への振替が行われない理由について、混乱することがあるかもしれません。この問題について、今回はその背景や仕訳の処理方法を解説します。
1. ダウンストリーム取引とは
ダウンストリーム取引とは、親会社が子会社に対して商品やサービスを販売する取引を指します。一般的に、親会社が子会社に商品を販売することで、その商品の仕入額が連結修正仕訳で消去され、親会社の利益が影響を受けます。
この場合、非支配株主持分への振替がなぜ行われないのか、その理由を理解するには、連結財務諸表における取り扱いを深掘りすることが重要です。
2. 連結修正仕訳と非支配株主持分への影響
親会社が子会社に商品を販売する際、その取引は連結財務諸表で修正されます。親会社の利益は、この取引を消去することによって影響を受けますが、非支配株主持分には直接的な影響を与えません。
非支配株主持分は、あくまで子会社の純利益に基づいて算定されます。そのため、親会社側での利益の調整が非支配株主持分に即座に反映されることはありません。つまり、親会社の利益が増減しても、非支配株主持分への振替が必要ないのです。
3. 非支配株主持分の振替が行われない理由
非支配株主持分への振替が行われないのは、ダウンストリーム取引においては親会社の利益が変動しても、非支配株主持分に関連する部分に変動が生じないためです。連結決算において、親会社と子会社の間で行われる取引は、基本的に連結修正仕訳により相殺され、非支配株主持分に影響を与えることはありません。
また、非支配株主の利益は、主に子会社の純利益に基づいて決まるため、親会社側の取引の影響を受けないという点も振替が不要である理由の一つです。
4. まとめ：ダウンストリーム取引と非支配株主持分の理解
ダウンストリーム取引で親会社の利益が増減することがありますが、それが非支配株主持分にどのように影響を与えるのかについての理解が重要です。連結修正仕訳により、親会社側での調整が行われる一方、非支配株主持分に直接的な影響を及ぼすことはありません。
したがって、ダウンストリーム取引において非支配株主持分への振替は行われないという点を理解しておくことが重要です。今後、簿記2級の試験においてもこのような連結会計の仕組みを正しく理解しておくことが求められます。
