みなし残業とは、実際の残業時間に関わらず、あらかじめ決められた時間分の残業代を支給する制度です。この制度が導入されている場合、固定残業代が給料に含まれていることがあります。この記事では、みなし残業がブラック企業なのかホワイト企業なのか、またみなし残業を嫌う理由について解説します。
みなし残業がある場合の給与体系
みなし残業がある企業では、固定残業代として一定時間分の残業代があらかじめ支給されます。例えば、「固定残業70時間分として14~20万円」という記載がある場合、月々の給料の一部としてこの額が支給され、実際に70時間以上働いた場合は別途追加で残業代が支払われることもあります。
この給与体系が「ブラック」か「ホワイト」かは、その企業の労働環境に依存します。みなし残業代が適正な金額であり、働いた時間に見合った残業代が支払われるのであれば、これは問題ないといえます。しかし、実際に働く時間がみなし残業時間を大きく超えているにもかかわらず、追加支払いがない場合は注意が必要です。
みなし残業がブラック企業かホワイト企業かの判断基準
みなし残業がある企業で「ブラック企業」と呼ばれる場合、その原因はしばしば労働環境や管理体制にあります。例えば、過剰な残業が常態化していたり、実際の労働時間がみなし残業時間を大きく超えているのに追加の支払いがない場合は、ブラック企業と言えるでしょう。
一方で、企業がみなし残業時間に適切な報酬を支払い、社員の健康やワークライフバランスを考慮した管理を行っている場合、その企業は「ホワイト企業」として評価されることがあります。つまり、みなし残業が必ずしもブラックを意味するわけではなく、企業の運営方針が大きく影響します。
みなし残業を嫌う理由とそのデメリット
みなし残業を嫌う理由としてよく挙げられるのは、実際に働いている時間と残業代が合わない点です。特に、毎月の残業が70時間を超えて働いた場合、実際の残業代はほとんど支払われないか、非常に少ないことがあります。これが続くと、労働者は不公平感を感じやすくなります。
また、みなし残業が導入されている企業では、残業時間が「規定内である」という前提で管理されることが多いため、実際に労働時間を記録しない、または記録されても適切に反映されない場合もあります。これが過剰な労働を生む原因となることもあります。
みなし残業制度のメリット
みなし残業のメリットとしては、残業がある程度予測できるため、給与が安定しやすい点が挙げられます。特に繁忙期でも、事前に固定残業分として一定額が保証されているため、安定した生活が送りやすいという点が魅力です。
また、通常の残業時間のように毎回報告したり申請する手間がなく、シンプルに給与が決まるため、管理が楽であるという利点もあります。しかし、その代わりに残業が多くなりがちな職場では、この制度が労働者に負担をかけることもあるため、企業側の管理体制が重要になります。
まとめ
みなし残業制度は、企業によってその運用方法が異なります。正当な範囲で管理され、社員の健康と労働環境が守られている場合には、問題ないこともあります。しかし、過剰な残業が常態化している場合や、残業代が適正に支払われない場合は、ブラック企業の可能性が高いです。自分の労働環境についてしっかりと確認し、健康的な働き方を意識することが大切です。
