内部統制報告書の不備と限定的適正意見—除外事項に関する解説

会計、経理、財務

内部統制報告書において、重要な不備が存在する場合、監査人はどのような意見を表明するべきでしょうか?特に、当該不備が開示されていない場合、限定的適正意見を表明することができるのでしょうか?この記事では、この問題に関する解説を行い、なぜ「限定的適正意見」が適用されないのかについて詳しく説明します。

1. 内部統制報告書と監査意見の関係

内部統制報告書は、企業の内部統制システムの有効性について、経営者が報告する重要な文書です。監査人はこの報告書を監査し、その意見を表明します。監査意見には、適正意見、不適正意見、限定的適正意見、意見不表明の4種類があります。

監査人は、報告書に記載された内部統制の不備や重大な欠陥を特定した場合、その内容に基づいて意見を表明することになります。内部統制が適切に機能していない場合、それを反映させる形で意見が表明されることが求められます。

2. 限定的適正意見の意味と条件

限定的適正意見とは、報告書の一部に不備や制限があるものの、大部分については適正であると判断される場合に表明される意見です。例えば、重要な不備が特定され、その不備が修正される見込みがある場合には、限定的適正意見が適用されることがあります。

しかし、内部統制報告書において、重要な不備が開示されていない場合、監査人は限定的適正意見を表明することができません。これは、監査人が報告書の内容を完全に確認できていない場合や、報告書自体に重大な問題がある場合に該当します。

3. 不備が存在する場合の監査意見の選択

内部統制報告書に重要な不備が存在し、さらにそれが開示されていない場合、監査人は意見不表明や不適正意見を選択することが多いです。これは、不備が内部統制の全体に大きな影響を与えるため、限定的適正意見を表明することが適切ではないとされるからです。

また、不備が重要であり、その影響が企業の財務報告に深刻な影響を与える可能性がある場合には、不適正意見が表明されることもあります。このような場合、企業はその不備を是正するための措置を講じることが求められます。

4. 除外事項を付した限定的適正意見が表明できない理由

質問の内容にある「除外事項を付した限定的適正意見が表明されるか?」という点について、重要な不備が報告書に記載されていない場合、その不備が「除外事項」として扱われることはありません。むしろ、除外事項がある場合は、その内容が重要であるため、限定的適正意見ではなく、不適正意見や意見不表明が適切です。

したがって、内部統制に重要な不備が存在し、それが開示されていない場合には、監査人は限定的適正意見を表明することはできません。その代わりに、不適正意見または意見不表明が選ばれることになります。

まとめ

内部統制報告書に重要な不備が存在する場合、かつそれが開示されていない場合、限定的適正意見を表明することはありません。このような場合、監査人は不適正意見や意見不表明を選択し、企業の内部統制に重大な問題があることを反映させます。簿記や会計の試験においては、このような判断基準を理解しておくことが重要です。

内部統制報告書と監査意見の関係をしっかりと学び、正しい監査手続きと意見表明の方法について理解を深めましょう。

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