簿記二級の税効果会計における、その他有価証券の評価差額金と繰延税金資産の仕訳について、特に売却時の会計処理にお困りの方も多いかと思います。この記事では、実際の仕訳例を基に、税効果会計の流れを解説します。
1. その他有価証券の評価差額金の仕訳
まず、その他有価証券の簿価が100円、時価が50円の場合、実効税率40%の元での仕訳は次のように行います。
仕訳例: その他有価証券評価差額金50/その他有価証券50
繰延税金資産20/その他有価証券評価差額金20
この仕訳では、評価差額金と繰延税金資産を計上することによって、今後の税金の影響を先に認識します。
2. 売却時の会計と税務処理
次に、その他有価証券を200円で売却した場合、会計上は150円の収益となりますが、税務上は100円の益金として認識します。
この際、会計上の収益150円から税務上の益金100円を差し引いた50円分に対して、税金がかかります。この50円分が税金に関連する部分です。
3. 繰延税金資産の計上
この収益に関連する税金は、繰延税金資産として計上されます。50円の税金に対して、実効税率40%を掛けると、繰延税金資産20円が計上されます。
仕訳としては、以下のようになります。
仕訳例: 繰延税金資産20/その他有価証券評価差額金20
これにより、税効果会計の調整が行われ、収益に関連する税金が繰延税金資産として繰り延べられることになります。
4. まとめ: 税効果会計の理解と実務での応用
簿記二級における税効果会計の理解は、試験だけでなく実務でも非常に重要です。その他有価証券の評価差額金と繰延税金資産を適切に計上し、売却時に税務上の益金と会計上の収益との差を正しく処理することが求められます。
この記事で説明した仕訳の流れを参考にして、税効果会計をしっかりと理解し、実務にも活かせるようにしましょう。