総合原価計算において、仕損と減損は異なる取り扱いをされます。特に、完成品原価を算出する際の処理方法に違いがあります。
仕損と減損の基本的な違い
仕損とは、製造過程で不良品が発生することを指し、形が残るため評価額が存在します。一方、減損は、製造過程で原材料が蒸発・粉散・ガス化などにより消失することを意味し、形が残らないため評価額は存在しません。
完成品原価における仕損の取り扱い
仕損が発生した場合、その処理方法は発生時点によって異なります。正常仕損は、製造過程で避けられないとされるため、良品の原価に含めて処理します。発生時点が月末仕掛品の加工進捗度よりも後であれば、完成品原価にのみ負担させる方法が一般的です。
減損の処理方法
減損は、原材料が製造過程で消失することによって発生します。形が残らないため、評価額は存在せず、仕損とは異なる取り扱いをされます。減損費用は、製造過程での消失分として計上されます。
仕損品に評価額がある場合の処理
仕損品に評価額がある場合、その評価額の取り扱いも重要です。完成品のみ負担の場合、完成品総合原価を計算した後に、仕損品の評価額を差し引きます。両者負担の場合は、当月投入の直接材料費から仕損品の評価額を差し引いた後に、完成品総合原価と月末仕掛品原価を計算します。
まとめ
総合原価計算において、仕損と減損はその発生原因や形態、評価額の有無などにより取り扱いが異なります。仕損は発生時点や評価額の有無に応じて、完成品原価や月末仕掛品原価への負担方法が変わります。減損は形が残らないため、評価額が存在せず、仕損とは異なる処理が求められます。
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