簿記2級の試験において、貸倒引当金は重要な項目であり、その計算方法や計上方法について理解しておくことが必要です。今回は、貸倒引当金がどのように計上され、貸借対照表(BS)にどのような影響を与えるのかについて詳しく解説します。
1. 貸倒引当金の基本的な計算方法
貸倒引当金は、売掛金や受取手形などの資産に対して、将来的に発生する可能性のある貸倒れ(支払不能)に備えて設定する引当金です。通常、貸倒引当金は過去の実績や予測に基づき、一定の割合(%)で計上されます。
質問の内容では、売掛金(314,000円)と受取手形(365,000円)に対する引当金が設定されており、それぞれに対応する割合(サンパー)が記載されています。具体的には、売掛金のサンパーが9420円、受取手形のサンパーが10,950円となっており、合計すると20370円となります。
2. 仕訳と計上方法
貸倒引当金を計上する際には、まず決算整理前試算表に記載された金額(ここでは14,000円)から、差額を補充する形で追加計上します。差額が6,370円となるため、この金額が実際に計上する額です。
この差額の6,370円は、PL(損益計算書)における販管費の貸倒引当金繰入額として計上されます。これにより、実際に発生する貸倒れに対して十分な備えをすることができます。
3. 貸借対照表(BS)における影響
貸倒引当金は貸借対照表の流動資産に影響を与えます。売掛金や受取手形などの資産の金額は、貸倒引当金を差し引いた後の金額が記載されます。質問にあるように、貸倒引当金の計上前に、売掛金や受取手形の金額(9420円と10,950円)をそのまま載せることになります。
具体的には、貸倒引当金は資産のマイナスとして計上され、これにより総資産が減少します。これは、将来的に貸倒れが発生した際に、企業が負担する可能性のある損失に備えているためです。
4. 質問に対する回答
質問にあった「BSの流動資産、貸倒引当金の所には、差し引き前の9420円と10,950円が計上される」という点ですが、これは貸倒引当金の金額を資産から引き落とす前の元々の売掛金と受取手形の金額が記載されるためです。引当金は資産の調整項目として、売掛金や受取手形の金額から差し引く形で反映されます。
そのため、最終的な金額がどのように表示されるか、またどの部分にどの金額を計上するかは、貸倒引当金の計上方法に関する理解が必要です。
5. まとめ
貸倒引当金の計上は、企業の健全な財務管理に欠かせない要素です。簿記2級の試験でも、正しい計上方法を理解し、貸借対照表(BS)にどのように反映させるかを把握することが重要です。質問で挙げられた差額補充方についても、適切に計上すれば、貸倒引当金が正確に反映され、試験でも確実に得点を狙うことができます。
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