簿記1級の仕訳問題：新株予約権とオプション取引の違いについて

簿記1級でよく出題される新株予約権に関連した仕訳問題。今回は「払込金額100,000円で新株予約権を発行し、当座預金で預け入れた」ケースについて、買手側の仕訳がどうなるかを解説します。

新株予約権とオプション取引の仕訳について

質問にあるように、新株予約権を発行し、当座預金で預け入れる際の仕訳は、企業の立場によって異なります。企業側が行う仕訳は次のようになります。

これは、企業が新株予約権を発行した際の基本的な仕訳方法です。ここで、買手側が行う仕訳についてですが、質問者のように「オプション資産 100,000 / 当座預金 100,000」と考えるのは、オプション取引に関する仕訳を意識しているからです。

オプション取引では、一般的に「オプション資産」として取り扱われるため、新株予約権とは異なる仕訳が必要です。新株予約権は発行者側が行う仕訳で、買手側は通常、支払った金額を「オプション資産」として計上するわけではありません。

新株予約権とオプション取引の仕訳が異なる理由は、その会計処理方法の違いにあります。新株予約権は、将来株式を購入する権利を提供するものとして、資本取引に近い扱いになります。したがって、オプション取引として処理するのではなく、新株予約権として正しく仕訳を行う必要があります。

新株予約権とオプション取引の仕訳は、その取引の性質によって異なります。新株予約権は企業側が行う仕訳であり、買手側が「オプション資産」として仕訳を行うことはありません。正確な仕訳方法を理解し、出題内容に即した処理を行うことが簿記1級の試験において重要です。