水準測量を行った際、既知点KBM1とKBM2をつなぐ往復測量で誤差が発生した場合、どのように誤差を補正するかは重要な課題です。特に、終点側のKBMの数値が本来の高さから8㎜誤差が生じた場合、その誤差をどのように扱うべきか、補正方法について疑問が生じることがあります。この記事では、このようなケースにおける誤差補正の方法や考慮すべきポイントを詳しく解説します。
誤差が発生した場合の基本的な対応
まず、誤差が発生した場合、通常は誤差の補正を行うことが必要です。水準測量では、往復測量によって得られた高低差の誤差が最小限に抑えられることが理想です。しかし、測量精度には限界があり、特に長期間経過した基準点(KBM)のデータには誤差が含まれることがあります。
今回はKBM1とKBM2間で1㎞の区間を測量しており、誤差は1㎜だったものの、KBM2の数値が本来の高さから8㎜誤差が出たということです。この場合、KBM2の数値が誤差を含んでいる可能性が高いため、補正の対象となるのは主にKBM2です。
誤差補正はどの段階で行うべきか
補正は、基本的には往復測量の結果を比較し、最終的な誤差を均等に分配する形で行うことが一般的です。しかし、今回のようにKBM1とKBM2のいずれかに誤差が大きい場合、その影響を受けたKBM側に補正を加える必要があります。
具体的には、誤差が8㎜に達しているKBM2の数値を基に補正を行うべきです。往復測量で得られた誤差が1㎜であることを考慮すると、誤差の補正はKBM2側で行い、その結果を基準にして全体の高低差を再計算する方法が推奨されます。
KBM2の誤差と補正方法
KBM2の誤差が8㎜ということは、10年ほど前のデータを基にしているため、周囲の環境や地盤沈下などの影響を受けている可能性もあります。特にKBM1は橋の欄干の基礎部分にあり、KBM2は車の通行がある歩道に設置されているため、環境による影響の度合いが異なる可能性も考慮する必要があります。
そのため、KBM2の誤差が明らかに大きい場合、そのデータを修正し、最終的な高低差を求めることが必要です。また、もし可能であれば、新たに基準点を設け、測量を再実施することで誤差の補正精度を高めることも検討すべきです。
補正後の測量結果をどのように活用するか
補正後の測量結果を活用する際は、誤差補正を施した結果が全体の精度にどのように影響を与えるかを再評価することが重要です。特に、既存の基準点の誤差が測量精度にどのような影響を与えるかを確認し、補正後のデータを使用して後続の測量作業を行う際に必要な修正を加えるべきです。
まとめ
水準測量で誤差が生じた場合、その補正方法を正しく理解し、誤差の大きい基準点に補正を加えることが重要です。今回のケースでは、KBM2の誤差が大きいため、そちらを補正することが推奨されます。補正後のデータを基に、正確な測量結果を得るために、誤差の発生原因や測量環境の影響を考慮することが必要です。
コメント