法人決算における受取手形と割引手形の処理方法

法人決算時における受取手形と割引手形の処理方法については、会計上の扱いにおいて注意が必要です。特に、手形の発行者の与信がある程度高い場合、割引手形にするべきか、受取手形としてそのまま計上するべきか悩む方も多いでしょう。この記事では、受取手形500万と割引手形500万の処理について、そのイメージや見え方、またそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

受取手形のまま計上する場合

受取手形をそのまま500万円として計上する方法は、特に企業の信用力が高い場合、また発行者の与信に問題がないと認められている場合には一般的に採用される方法です。この場合、企業側は期日前に手形を受け取ることができ、現金化のタイミングを待つことができます。しかし、決算時点では、まだ現金化されていないことを考慮した処理が求められます。

割引手形にする場合のメリットとデメリット

割引手形にする方法は、すぐに現金化を図りたい場合や、手形の額面をそのまま計上したくない場合に適しています。割引手形にすると、受取手形を現金化した時点でその額面を割引し、割引手数料を差し引いた金額を現金として受け取ることになります。この場合、割引手数料がかからない場合（無料であれば）は、現金として手に入る額面そのままでの現金化が可能です。

どちらが企業経営に与える影響が大きいか

受取手形をそのまま計上する場合と割引手形にする場合、どちらを選択するかは企業の状況によって異なります。受取手形として計上すると、企業の資産として手形が残り、売掛金の一部として帳簿に記録されますが、現金化のタイミングが後になります。一方、割引手形にすることで、現金をすぐに受け取ることができ、資金繰りが楽になりますが、手数料や割引に関しての条件が絡んでくるため、状況によっては割引手形を選ぶより受取手形をそのまま計上した方が得策であることもあります。

会計処理の見え方

「見え方」という点では、受取手形をそのまま計上することで、企業の資産として手形がしっかり残るため、外部から見ると健全に見える場合があります。しかし、割引手形にすることで現金化が速やかに行われ、資金繰りの改善には寄与するものの、決算書上では現金や預金の増加が強調されるため、受取手形の増加という形で見られる資産と現金化のタイミングとのバランスをどう保つかが大事です。

まとめ

法人決算において受取手形と割引手形の取り扱いを決める際は、企業の信用状況や資金繰り、決算書上での見え方を考慮して選択することが重要です。受取手形としてそのまま計上する場合は、企業の資産がしっかりと記録され、割引手形にする場合は早期に現金化できるという利点があります。それぞれのケースでメリット・デメリットを理解した上で、企業の状況に最適な選択をしましょう。