賃率差異と作業時間差異の計算方法について：簿記2級工業簿記の解説

簿記2級工業簿記の問題における賃率差異と作業時間差異の計算方法について詳しく解説します。これらの差異は標準原価計算を使って評価されるため、特に計算のステップが重要です。問題文の例を使って、どのように計算するのかをステップバイステップで説明します。

賃率差異の計算方法

賃率差異は、標準賃率と実際賃率の差を、実際作業時間に掛け算して求めます。問題文の例では、標準賃率は1200円／h、実際賃率は1300円／h、実際作業時間は750時間です。

計算式は次の通りです。

賃率差異 = (標準賃率 – 実際賃率) × 実際作業時間

これを代入すると、賃率差異 = (1200円 – 1300円) × 750時間 = -100円 × 750時間 = -75,000円となります。

作業時間差異は、標準作業時間と実際作業時間の差を、標準賃率に掛けて求めます。問題文の例では、標準作業時間は800時間、実際作業時間は750時間、標準賃率は1200円／hです。

計算式は次の通りです。

作業時間差異 = (標準作業時間 – 実際作業時間) × 標準賃率

これを代入すると、作業時間差異 = (800時間 – 750時間) × 1200円 = 50時間 × 1200円 = 60,000円となります。

賃率差異は、実際の賃率と標準賃率の差から発生する差異であり、作業時間差異は実際の作業時間と標準作業時間の差から発生します。両者は標準原価計算において、それぞれ異なる要因を反映しています。

どちらも経営者にとって重要な指標であり、原価管理やコストコントロールのために活用されます。

簿記2級工業簿記の問題において、賃率差異と作業時間差異の計算は非常に重要です。標準原価計算を使うことで、企業の原価を適切に評価できます。計算式とその意味をしっかり理解し、練習問題を通じて確実に身につけましょう。