株主資本等変動計算書のその他有価証券評価差額金の当期首残高についての疑問解消

簿記の試験や実務において、株主資本等変動計算書に記載される「その他有価証券評価差額金」の当期首残高について疑問を持つことがあります。特に、「前期末に計上された300が消えるはずだ」と考える方も多いですが、実際にはなぜ300が記載されるのかを解説します。

株主資本等変動計算書の役割と構成

株主資本等変動計算書は、企業の株主資本の変動を明確に示すために作成される財務諸表の一つです。この計算書には、その他有価証券評価差額金をはじめ、企業が所有する有価証券の評価額の変動や、その影響を反映させた項目が記載されます。

その他有価証券評価差額金は、主に時価評価された有価証券の評価差額を示し、企業の財務状態に大きな影響を与える可能性があります。そのため、この項目を適切に理解し、計算することは重要です。

質問者のように、「再振替仕訳で前期末の300は消えるはず」と考えるのは理解できます。再振替仕訳は、期末に計上された評価差額金を消すために行われることが一般的です。しかし、実際にはこの300が消えた後でも、当期首残高にはその影響が残ります。

なぜなら、再振替仕訳によって消されたのは前期の評価差額金であり、当期の評価差額金は新たに計上されるためです。そのため、翌期の株主資本等変動計算書には、新たに計上された評価差額金が反映されます。

その他有価証券評価差額金は、前期末の残高が消えたとしても、当期の始まりにおいては新たにその差額が計上されます。この新たな差額金は、当期の評価額に基づいて再計算されるため、300が記載されるのはそのためです。

つまり、300という金額が書かれる理由は、再振替仕訳で前期末の300が消された後でも、評価差額金が新たに反映されることを意味しています。この計算の流れを理解することが、簿記の試験や実務で正確な財務諸表を作成するためには不可欠です。

株主資本等変動計算書の「その他有価証券評価差額金」の当期首残高に300が記載される理由は、前期末に計上された評価差額金が再振替仕訳で消去された後も、当期の評価額に基づいて新たに差額金が計上されるためです。簿記の試験や実務では、この仕訳や計算の流れを正しく理解することが大切です。