海外でのサービス利用料を経費として計上する際、どのように記帳すればよいかは多くの人が悩むポイントです。特に、クレジットカードで支払いを行い、決済日と明細書の日付が異なる場合や為替レートの変動が関わる場合は注意が必要です。この記事では、海外サービス利用料の記帳方法を2つの方法に分けて解説します。
1. 方法①:購入時のレートで買掛金として計上し、引き落とし時に差額を手数料として計上する方法
方法①では、まずサービスの明細書発行日(例:7月1日)に記載された金額を、その日の為替レートで円換算し、買掛金として計上します。翌月、銀行から引き落としが行われた際、引き落とし金額と購入時の換算金額との差額を手数料として経費計上します。これは、実際の引き落とし額と最初の記帳額が異なる場合に、差額分を調整する方法です。
例えば、サービスの料金が$30で、7月1日のレートが1ドル=110円の場合、$30×110=3300円となります。翌月の引き落とし額が3400円であった場合、差額の100円を手数料として計上します。
2. 方法②:実際に銀行から引き落としされた額をそのまま経費として計上する方法
方法②は、特に手間をかけたくない場合に適した方法です。この方法では、実際に銀行から引き落としされた額を、そのまま経費として計上します。引き落とし日が経理の締め日をまたぐ場合や、為替差益・差損が生じる場合でも、為替レートによる調整を行わずに、そのまま支払金額を記帳します。
この方法は簡単で便利ですが、為替の変動によっては、記帳した金額と実際の支払額に差が出ることがあります。この差額については、税務署から指摘される可能性もあるため、注意が必要です。
3. どちらの方法を選ぶべきか?
方法①と方法②のどちらが適しているかは、経理の方針や会社の規模によって異なります。方法①は、正確に取引を記録し、為替差損益を適切に処理するため、簿記や税務面でのリスクを避けることができます。方法②は、手間がかからずシンプルですが、為替差額による影響がある場合には、注意深く経理処理を行う必要があります。
いずれにしても、記帳方法を一貫して使用し、税務署に対して説明ができるようにしておくことが重要です。
4. 為替差損益の扱いについて
為替差損益は、特に外貨建てで支払いが行われた場合に発生します。支払時にレートが変動した場合、その差額は「為替差損益」として計上することが求められます。たとえば、サービスの購入時の為替レートが高かった場合には、為替差損が発生し、逆にレートが安くなった場合には、為替差益が生じることがあります。
この差額は、適切に経費として計上する必要がありますが、どちらの方法を選んだ場合でも、記録と計上の一貫性が重要です。
5. まとめ
海外でのサービス利用料の記帳方法にはいくつかの選択肢がありますが、最も重要なのは一貫した記帳方法を選び、税務面で問題が生じないように注意することです。方法①は為替差損益を正確に処理する方法として推奨され、方法②は簡便で使いやすい方法です。自身の業務フローや税務方針に合わせて、最適な方法を選ぶようにしましょう。
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