簿記論には無い財務諸表論にしか無い計算の論点とは？

簿記論と財務諸表論の試験範囲は異なり、計算に関してもそれぞれ特徴があります。特に、財務諸表論には簿記論には出題されない計算問題が含まれているため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。この記事では、簿記論には無い財務諸表論にしか無い計算の論点について解説します。

財務諸表論に出題される主な計算論点

財務諸表論では、簿記論には登場しない特有の計算問題がいくつかあります。例えば、企業の財務状況を把握するために必要な財務指標の計算や、企業結合に関する計算が挙げられます。

これらの計算問題は、主に財務諸表の作成や分析に関する内容で、複雑な取引や事象を財務諸表にどのように反映させるかを問われます。例えば、連結財務諸表に関する計算問題や、リース会計、税効果会計などがその代表的なものです。

連結財務諸表の作成とその計算

財務諸表論では、連結財務諸表の作成に関する計算が重要な論点です。連結財務諸表は、親会社と子会社の財務諸表を統合して作成するため、親会社と子会社間の取引の消去や、非支配株主持分の計算が求められます。

この計算は、親会社と子会社の株式取得時や、営業取引の消去、未実現利益の消去などを行う必要があり、簿記論では取り扱われない内容です。連結財務諸表を正確に作成するためには、細かい計算式を覚え、各項目の取り扱いを理解することが不可欠です。

リース会計に関する計算

リース会計は、財務諸表論において重要な論点の一つです。リース取引は、貸手と借手の間での契約内容によって会計処理が異なります。財務諸表論では、リース契約がファイナンスリースかオペレーティングリースかに応じて、賃貸借契約の取り扱いを計算しなければなりません。

リース料の割引現在価値や、借手の資産計上方法、リース負債の計上方法など、リース取引の計算方法は簿記論には登場しない内容で、財務諸表論独自の計算問題として出題されます。

税効果会計における計算

税効果会計も財務諸表論にしかない重要な計算論点の一つです。税効果会計では、企業の一時差異に基づいて繰延税金資産や繰延税金負債を計算します。これにより、将来の税金負担がどのように影響するかを予測し、財務諸表に反映させる必要があります。

税効果会計の計算は、簿記論では扱われていないため、税金に関連する繰延税金の計算方法や、将来の税金の影響を適切に反映させる方法を理解することが求められます。

まとめ: 財務諸表論にしか無い計算の論点をしっかり理解する

簿記論と財務諸表論では、計算の論点に大きな違いがあります。特に、連結財務諸表の作成やリース会計、税効果会計など、財務諸表論にしかない計算論点は、試験で問われることが多いため、しっかりと理解しておくことが重要です。これらの計算問題に対応するためには、各項目の計算方法を繰り返し練習し、正確に理解することが合格への近道です。