工業簿記の問題を解く際に重要な点の一つは、材料費の計算方法です。この記事では、与えられた資料を基に、直接材料費、間接材料費、間接経費をどのように計算するかについて詳しく解説します。
問題の概要と解き方
以下の資料に基づいて計算を行います。
- (1) 主要材料Xの払出数量は2,000kg、月初棚卸数量は300kg、月間の購入量は2,200kgで、先入先出法によって材料費を計算します。
- (2) 補助材料Yについては、総平均法で材料費を計算します。
- (3) 工場消耗品Zについては、月初有高、購入高、月末有高が与えられており、これを元に計算を行います。
1. 主要材料Xの計算方法
まず、主要材料Xについて、先入先出法(FIFO)を使って材料費を計算します。先入先出法では、最初に購入した材料から払出されると仮定します。
計算手順は以下の通りです。
- 月初棚卸数量:300kg × ¥600 = ¥180,000
- 購入数量(1,900kg × ¥650) = ¥1,235,000
- 総払出数量(2,000kg)の費用:¥180,000 + ¥1,235,000 = ¥1,415,000
- 月末棚卸数量(480kg × ¥650) = ¥312,000
- 実際の材料費(払出数量2,000kg) = ¥1,415,000 − ¥312,000 = ¥1,103,000
したがって、主要材料Xの直接材料費は¥1,103,000となります。
2. 補助材料Yの計算方法
次に補助材料Yについて、総平均法で計算します。総平均法では、購入した材料全体の平均単価を求め、それを用いて材料費を計算します。
計算手順は以下の通りです。
- 総材料費 = (月初棚卸数量 × 月初単価) + (購入数量 × 購入単価)
- 総材料費 = (150個 × ¥200) + (450個 × ¥220) = ¥30,000 + ¥99,000 = ¥129,000
- 総材料数 = 150個 + 450個 = 600個
- 平均単価 = ¥129,000 ÷ 600個 = ¥215
- 月末棚卸数量の材料費 = 月末棚卸数量(100個) × 平均単価(¥215) = ¥21,500
- 実際の材料費 = ¥129,000 − ¥21,500 = ¥107,500
したがって、補助材料Yの直接材料費は¥107,500となります。
3. 工場消耗品Zの計算方法
最後に、工場消耗品Zについて計算します。工場消耗品は、購入した金額を基に消耗品費用を計算します。
計算手順は以下の通りです。
- 消耗品費用 = 月初有高 + 月間購入高 − 月末有高
- 消耗品費用 = ¥13,000 + ¥35,000 − ¥16,000 = ¥32,000
したがって、工場消耗品Zの間接経費は¥32,000となります。
まとめ
今回の問題を解く際には、材料費の計算方法に注意が必要でした。主要材料Xは先入先出法(FIFO)、補助材料Yは総平均法で計算しました。工場消耗品Zについては、月初・月末の金額を元に計算を行いました。これらの計算方法を理解することが、工業簿記における問題解決のポイントとなります。
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