日商簿記1級のリース取引に関するファイナンス・リースとオペレーティング・リースの判断基準

日商簿記1級の試験では、リース取引に関する知識が問われることがあります。特に、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの違いについて理解することは非常に重要です。この記事では、リース取引の判定基準について詳しく解説します。

ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの違い

リース取引は、大きく分けて「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2つに分類されます。ファイナンス・リースは、リース期間が長く、実質的に所有権を移転する性質の取引であり、オペレーティング・リースは、所有権が移転せず、短期間の使用にとどまる取引です。

どちらに該当するかは、リース料総額の現在価値とリース期間などに基づいて判断されます。具体的には、以下の基準が重要です。

ファイナンス・リースとして認定されるためには、リース料総額の現在価値が見積現金購入額の90%以上である必要があります。この基準に当てはまる場合、リース取引はファイナンス・リースとして処理され、リース資産が会計上の資産として計上されます。

もしリース料総額の現在価値が90%未満であれば、その取引はオペレーティング・リースに該当する可能性が高くなります。

また、リース期間が経済的耐用年数の75%以上である場合もファイナンス・リースに該当します。これにより、リース契約が実質的に所有権移転型の契約であると判断されます。逆に、リース期間がこれより短ければ、オペレーティング・リースに分類されることになります。

リース期間が短い場合や、リース契約において所有権が移転しない場合は、オペレーティング・リースとして扱われます。

例えば、リース料総額が高額で、リース期間が長期間にわたる契約（リース料総額の現在価値が90%以上かつリース期間が経済的耐用年数の75%以上）は、ファイナンス・リースとして扱われます。この場合、リース契約終了後に資産が買い取れる選択肢が与えられることが多いです。

一方、短期間で利用するリース契約や、契約終了後に資産を所有しない契約（リース料総額が90%未満またはリース期間が経済的耐用年数の75%未満）はオペレーティング・リースとなります。この場合、リース契約終了後に資産を返却することが一般的です。

日商簿記1級の試験では、リース取引におけるファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区別が重要です。リース料総額の現在価値やリース期間が基準を満たすかどうかによって、取引の分類が決まります。正しい判断基準を理解し、試験対策を進めることが合格への近道です。