簿記2級:損益分岐点の売上高と売上高変動比率について

簿記

簿記2級の問題において、損益分岐点の売上高を計算する際、売上高変動比率を使うことが多いです。しかし、売上高が変わると変動比率も変わるのではないかと疑問に思うこともあります。この記事では、なぜ売上高変動比率が変わらないのか、また損益分岐点の売上高の計算方法について詳しく解説します。

売上高変動比率とは?

売上高変動比率は、売上高に対する変動費の割合を示す指標です。この比率は、売上高の増減に対して変動費がどのように変化するかを示します。変動費には、製造原価や販売費が含まれます。通常、この比率は売上高がどれだけ変動するかに関わらず、一定の範囲で保たれるため、売上高が増減しても変動比率は一定となります。

売上高変動比率は、以下のように計算されます。

  • 売上高変動比率 = (変動製造原価 + 変動販売費) / 売上高

なぜ売上高変動比率は変わらないのか?

売上高変動比率が変わらない理由は、変動費が売上高に連動して増減する特性にあります。変動費は、売上高の増減に応じて比例的に変動するため、売上高が増加しても、変動費の割合(比率)は同じになります。従って、売上高が変わることで変動比率が変化することはありません。

例えば、売上高が100,000円であった場合、変動製造原価が5,600円、変動販売費が400円だとすると、売上高変動比率は(5,600 + 400) / 100,000 = 0.06となります。この比率は、売上高が増減しても変わりません。

損益分岐点の売上高の計算方法

損益分岐点の売上高は、固定費をカバーするために必要な売上高を示します。計算方法は以下の通りです。

  • 損益分岐点売上高 = 固定費 / (1 – 売上高変動比率)

この式により、固定費をカバーするために必要な売上高を求めることができます。たとえば、固定製造原価が2,000円、固定販売費が1,600円の場合、固定費は2,000 + 1,600 = 3,600円となります。そして、売上高変動比率が0.06の場合、損益分岐点売上高は3,600 / (1 – 0.06) = 3,829円となります。

まとめ

売上高変動比率は、売上高に連動して変動費が増減するため、売上高が変わっても変動比率は変わりません。この特性を理解することで、損益分岐点の売上高を正確に計算することができます。簿記2級の試験では、こうした基本的な計算方法を理解し、確実に実行できることが重要です。

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