予定価格非公表の業務委託仕様書に積算内訳書を添付するのは適切か?

会計、経理、財務

公共調達や業務委託契約において、予定価格を公表するか否か、そして仕様書に積算内訳書を添付すべきかどうかは、発注者側の判断に大きく左右される重要なポイントです。今回は「予定価格非公表」のケースにおいて、積算内訳書(参考)を仕様書に添付することの是非について詳しく解説します。

予定価格非公表の目的と背景

予定価格を公表しない理由は、主に入札参加者間の競争性を確保し、談合等の不正を防止するためです。予定価格が事前に分かってしまうと、入札額が価格に寄せられやすくなるため、適正な競争が損なわれる恐れがあります。

そのため、特に競争性が重要視される一般競争入札などでは、予定価格の非公表が採用されるケースが多いです。

積算内訳書を仕様書に添付する意義

積算内訳書は、業務の見積根拠やボリューム感を発注者が示す目的で添付されることがあります。これにより、受注者側は業務内容の理解が深まり、過不足のない見積提出がしやすくなるというメリットがあります。

ただし、添付する積算内訳書が「予定価格の根拠を示唆する」ような精度や詳細さを持つ場合は、予定価格の推測を容易にしてしまい、結果として入札の競争性が低下するリスクも考慮する必要があります。

「参考」としての位置づけなら妥当な場合も

積算内訳書が「参考」としての位置づけであり、予定価格とは無関係であることを明記している場合には、受注者側に業務イメージを伝えるための資料として有効です。

たとえば以下のような注意書きを加えることで、予定価格との関係性を遮断する工夫も可能です。

※この積算内訳書は業務量の目安を示すためのものであり、予定価格の算出根拠ではありません。

具体例:内訳書添付が効果的だったケース

ある自治体の清掃業務委託で、予定価格非公表の案件ながら、業務量の多さに応じた単価契約であったため、「参考積算書」が仕様書に添付されていました。

このとき、実際に見積もり提出された各社の価格はバラつきがあり、予定価格の推測にはつながっていませんでした。発注者側も「価格誘導を目的としない旨」を明記していたため、透明性と競争性の両立が図られた好例といえます。

注意すべきポイント

  • 内訳書に詳細な単価を明示しすぎると、価格誘導と受け取られる可能性がある
  • 「予定価格との関連がないこと」を仕様書に明記する
  • あくまで業務内容や数量の目安として使用する

まとめ

予定価格非公表の業務委託案件であっても、「積算内訳書(参考)」を仕様書に添付することは一概におかしいとは言えません。むしろ、業務量や業務範囲を正確に把握してもらうためには有効な手段です。

ただし、予定価格との関連性を断ち切る配慮や明記が不可欠です。透明性と競争性のバランスをとる形での情報提供が、適正な入札実施につながるといえるでしょう。

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