簿記3級の試験で、いぬぼき模試第4回の第3問に関して、決算整理事項3での貸引金が貸方9,000になる理由がわからないという質問が寄せられています。このような問題に直面した際に理解を深めるために、どのようにアプローチすればよいか、詳細に解説します。貸引金についての考え方やその処理の流れを確認してみましょう。
1. 貸引金とは？
貸引金は、売掛金や受取手形などの債権に関連する科目です。企業が取引先に対して売掛金を回収できるかどうか不確実性がある場合、その金額を「貸引金」として計上します。この貸引金は、回収不能である可能性がある金額を予測して引当金として計上するため、決算時に必要な調整が行われます。
2. いぬぼき模試第4回第3問の解説
問題の内容を確認すると、貸引金に関して「前T/Bの貸引金が貸方9,000」という記述があります。ここでの「前T/B」とは、前回の試算表（Trial Balance）のことを指します。この額は、前回の期で計上された貸引金残高です。問題の中で、貸引金の金額が変更される理由や、その調整方法を考える必要があります。
この貸引金の金額が貸方9,000となるのは、期末において貸引金を調整する必要があるからです。もし売掛金の回収可能性が変動した場合、貸引金の金額も調整する必要があります。具体的には、回収不能の債権が発生した場合にその額を貸引金として計上し、反対に回収可能な額が増加した場合には貸引金を減少させます。
3. 貸引金の貸方に計上される理由
貸引金は、企業が売掛金や受取手形などの債権に対して、回収できない可能性がある金額を見積もり、その額を控除するために設定します。ここで重要なのは、貸引金が「貸方」に計上されることです。貸引金は引当金として設定されるため、資産（売掛金や受取手形など）の金額を減少させる形になります。このため、貸引金の調整は貸方に計上されるのです。
4. 実際の仕訳例
貸引金の調整について、仕訳を使って説明します。例えば、貸引金が増加する場合の仕訳は次のようになります。
- 借方：貸引金引当金繰入額（費用）
- 貸方：貸引金（負債）
逆に、貸引金が減少する場合には、以下のような仕訳が必要です。
- 借方：貸引金（負債）
- 貸方：貸引金引当金戻入額（収益）
これらの仕訳が正しく行われることで、貸引金の調整が正確に反映され、決算書が適切に作成されます。
まとめ
いぬぼき模試第4回第3問における貸引金が貸方9,000になる理由は、前回の期で計上された貸引金残高に基づいて、決算整理事項で調整を加える必要があるためです。貸引金は売掛金や受取手形の回収不能額を見積もり、その額を控除するために使用されます。このような貸引金の計上方法を理解することで、簿記の問題をより正確に解くことができるようになります。
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