簿記2級の全部原価計算と直接原価計算の損益計算書の数字の出し方

簿記

簿記2級の勉強をしていると、「全部原価計算」と「直接原価計算」の損益計算書の数字の出し方について混乱することがあります。特に、問題集に解説が少ない場合、どのように数字を出すのか理解しづらいかもしれません。この記事では、これらの計算方法をわかりやすく解説し、実際の計算過程を詳しく説明します。

全部原価計算と直接原価計算の違い

まず、全部原価計算と直接原価計算の基本的な違いを理解することが重要です。全部原価計算は、製品の製造にかかった全ての費用(直接材料費、直接労務費、製造間接費)を計算に含めて損益計算書を作成する方法です。一方、直接原価計算は、変動費のみを製品に配賦し、固定費は全て期間費用として計上する方法です。

この違いが、損益計算書の数字にどう影響するかを理解することが、問題解決の第一歩です。

全部原価計算の損益計算書の作成方法

全部原価計算の場合、損益計算書に含める項目は、売上高、売上原価、そして販売費及び一般管理費です。売上原価には、直接材料費、直接労務費、そして製造間接費を含めます。

具体的には、まず「売上原価」を計算します。これには、製造した製品にかかったすべての費用を計上します。その後、売上高から売上原価を引いた「売上総利益」を求め、そこから販売費及び一般管理費を差し引いて最終的な「営業利益」を計算します。

直接原価計算の損益計算書の作成方法

直接原価計算では、製品にかかる変動費のみを売上原価として計上します。固定費は「期間費用」として損益計算書に直接計上されます。

売上原価の計算では、材料費や労務費など、変動費を考慮し、固定費(例えば、工場の管理費など)は計算に含めません。これにより、損益計算書の売上総利益は、直接的に製造した製品にかかるコストだけで求められます。

数字の出し方の実例

具体例を使って、数字の出し方を理解しましょう。例えば、ある企業の売上高が100万円、直接材料費が30万円、直接労務費が20万円、製造間接費が15万円、販売費及び一般管理費が10万円だったとします。

全部原価計算では、売上原価に30万円(材料費)+ 20万円(労務費)+ 15万円(製造間接費)を足し合わせて65万円となり、売上高から売上原価65万円を引いて売上総利益35万円を計算します。

一方、直接原価計算では、売上原価は変動費のみ、つまり材料費と労務費の合計50万円を計上します。固定費の15万円は期間費用としてそのまま差し引きます。これにより、売上総利益は50万円となり、固定費を差し引いて営業利益を求めます。

まとめ:全部原価計算と直接原価計算のポイント

全部原価計算と直接原価計算の違いを理解することは、簿記2級の損益計算書を正しく作成するために重要です。全ての費用を計算に含める全部原価計算と、変動費のみを考慮する直接原価計算の違いを理解し、それぞれの計算方法に基づいて数字を出す方法を覚えましょう。

問題集を解く際も、この基本的な考え方を押さえた上で計算すれば、スムーズに問題を解けるようになります。

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