簿記における未払い賃金の処理方法とその計算式

簿記

簿記で賃金の計算を行う際に、未払い賃金の取り扱いについて混乱することがあります。特に、当月の賃金支払い高に前月未払いと当月未払いが関わる場合、その計算方法や意味が不明なことがあります。本記事では、未払い賃金を含む賃金消費高の計算方法について、わかりやすく解説します。

賃金消費高の計算式

賃金消費高とは、会社が実際に支払った賃金の合計額を示すもので、次の式で計算します。

賃金消費高 = 当月賃金支払い高 + 当月未払い – 前月未払い

この式の中で、当月賃金支払い高は、当月に支払った賃金の合計です。前月未払いと当月未払いは、それぞれ前月と当月に支払われるべきだったが未払いの金額です。

前月未払いを引く理由

なぜ前月未払いの金額を引く必要があるのかというと、前月に発生した賃金が未払いである状態から、実際にその支払いが翌月に行われるためです。前月未払い分は、すでに支払い義務が発生しているものの、まだ支払われていない額です。これを引くことによって、当月の実際に支払った賃金だけが正確に計上されることになります。

たとえば、前月に支払われるべき賃金が35,000円あったとして、これが当月に支払われた場合、その分を当月の支払い高に加算してしまうと、二重計上となってしまいます。したがって、前月未払いの金額は引かれる必要があります。

未払い賃金の支払タイミング

前月未払い賃金がいつ支払われるのかについてですが、通常、前月の未払い分は次月に支払われることが多いです。つまり、前月の35,000円は、翌月の給与として支払われることになります。このため、未払い分が発生している間にその分を計上し、翌月に支払われることになります。

そのため、計算式では前月未払い分を引き、当月未払い分を足しているのです。

計算例を使った確認

具体的な計算例を見てみましょう。

  • 当月賃金支払い高:350,000円
  • 前月未払い:35,000円
  • 当月未払い:15,000円

この場合、賃金消費高は次のように計算されます。

賃金消費高 = 350,000円 + 15,000円 – 35,000円 = 330,000円

このように、前月未払いの35,000円を引いて当月の実際の支払い分を計算することで、帳簿上で正しい金額が反映されます。

まとめ

簿記において賃金消費高を計算する際、前月未払い分を引く理由は、前月に支払うべきだった賃金がまだ支払われていないため、当月の計算から差し引く必要があるからです。未払い分が実際に支払われたタイミングで、適切に帳簿に記録することが大切です。この計算式を理解しておくことで、賃金管理がスムーズに行えるようになります。

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