簿記2級のCVP分析で躓いている方は少なくありません。特に、営業利益を20%にするための計算式がなぜそのように成り立つのかが分からないという方も多いです。この記事では、CVP分析の計算式をわかりやすく解説します。
CVP分析とは?
CVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis)は、企業の利益がどのようにして変動するかを理解するための分析手法です。この分析では、売上、変動費、固定費、利益率などの要素を考慮します。特に、営業利益率を特定のパーセンテージに設定し、その達成のための売上や費用を算出することが目的となります。
営業利益率を20%に設定する計算式
質問にあった「営業利益20%」を達成するための計算式を順を追って整理してみましょう。営業利益率を20%にするためには、売上と費用の関係を理解する必要があります。
まず、与えられた式は次の通りです。
@3000円 × n個(売上) − @1800円 × n個(変動費) − 744000円(固定費) = @3000円 × n個 × 20%
ここで、売上は@3000円×n個、変動費は@1800円×n個、固定費は744000円です。この式を整理していきます。
式の整理と600円の導き方
式を整理していくと、まず営業利益率を20%にするためには、次のような計算になります。
@3000n − @1800n − 744000 = @3000n × 20%
これを整理すると。
1200n − 744000 = 600n
次に、両辺をnで整理し、最終的に次の式になります。
600n = 744000
ここで、600円という数字は、売上から変動費を引いた単位当たりの貢献利益(利益率のための基準額)になります。この600円が、1個あたりの利益の差額となり、最終的に必要な売上数を算出するための重要なポイントとなります。
具体的な計算方法
この式を使って、実際に売上個数を求めることができます。例えば、固定費が744000円の場合、必要な売上個数nは次のように計算されます。
n = 744000 ÷ 600 = 1240個
つまり、売上個数1240個を達成すれば、営業利益率20%を達成することができます。
まとめ
簿記2級のCVP分析では、営業利益率を達成するための計算式が重要です。特に、固定費や変動費を考慮して、売上個数や利益の関係を計算することが求められます。600円は、売上から変動費を引いた1個あたりの貢献利益を意味しており、これを基に必要な売上個数を導き出すことができます。最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、理論をしっかり理解すればスムーズに計算できるようになります。