社会福祉法人会計において、令和6年度から施設管理運営が増えることに伴い、決算に必要な計算書類や附属明細書、財産目録などの取り扱いについては、いくつかの注意点があります。特に、法人本部と施設分をどのように合算すべきか、引当金などをどのように扱うべきかが焦点となります。本記事では、これらの疑問を解決するための基本的な考え方と実務上の注意点を解説します。
社会福祉法人会計における合算の原則
社会福祉法人会計では、法人本部と各施設の決算を合算する必要があります。ただし、施設ごとに管理される事業が異なる場合や、施設ごとの経理処理が異なる場合には、合算方法に工夫が必要です。一般的には、法人本部の決算と施設ごとの決算を合算した計算書類を作成し、全体の財務状況を把握します。
その際、法人本部と施設分を別々に報告することもありますが、最終的に合算して一つの決算書類として提出することが求められます。特に、公益事業や社会福祉事業、施設運営にかかる経費などが混在している場合には、どの部分がどの事業に属するのかを明確にする必要があります。
附属明細書と引当金の取り扱い
附属明細書には、法人の収支状況や費用、引当金の取り扱いについて詳細な情報を記載することが求められます。引当金は、特定の目的に対して積み立てられた金額であり、施設運営においてもこれを適切に反映させる必要があります。
法人本部と施設の決算を合算する際には、引当金も含めて全体を反映させる必要があります。特に、引当金がどの施設に関連しているのか、法人全体としてどのように管理しているのかを明確にして、適切な帳簿に記載することが大切です。
財産目録における施設分の扱い
社会福祉法人の決算においては、財産目録を作成し、法人の所有する財産の状況を詳細に報告する必要があります。施設ごとの財産や資産の状況も報告しなければならないため、法人本部の財産目録とは別に、施設ごとの財産目録を作成することが求められる場合もあります。
これを合算して一つの財産目録にまとめる際には、施設ごとの資産の内訳や評価方法についても記載し、法人全体の資産状況が正確に反映されるようにします。
決算監査の際の注意点
決算監査が近づいている場合、監査法人や税理士と連携し、合算した決算書類が正確であるかどうかを確認することが重要です。特に、施設分の財務状況や引当金、その他の経理項目についても、監査人に対して十分に説明できるように準備することが求められます。
また、施設ごとの経理処理や収支報告に関して、監査法人から指摘を受けることもあります。これを避けるために、早期に疑問点を解決し、計算書類や附属明細書を整備することが重要です。
まとめ
社会福祉法人会計では、法人本部と施設分の決算を合算することが求められますが、その際には引当金や財産目録などの細かい部分についても注意が必要です。附属明細書や計算書類を作成する際は、施設ごとの経理処理を正確に反映し、全体の財務状況を適切に報告するよう心がけましょう。決算監査をスムーズに進めるためには、早期に準備を整え、監査法人と連携を取ることが大切です。